別海町2年度教育行政執行方針 各種検定料助成を試行 「新聞の日」で読解力向上
(市町村 2020-07-06付)

別海町教委登藤和哉
別海町教委・登藤和哉教育長

 【釧路発】別海町教委の登藤和哉教育長は、本年度教育行政執行方針において、漢字検定などの受検料助成を試行的に行うとした。コロナ禍による学習意欲低下が危ぐされる中で、受検を希望する児童生徒を対象とする。また、「別海町の魅力を学ぶ」ことを目的とした独自の社会科副読本の作成に向けた調査・研究に取り組む。さらに、「別海町新聞の日」を設けて、新聞を読む機会を提供し児童生徒の読解力向上を目指す。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【教育行政に臨む基本姿勢】

▼ふるさとべつかいを支える教育の推進

 「ふるさと べつかいで一体となって進める教育」「ふるさと べつかいへの誇りと愛着を持つ人材を育てる教育」を進める。

▼社会の変化に対応した教育の推進

 子どもたちが「自ら考え行動する力を育む教育」「社会の変化に主体的に対応可能な能力を育てる教育」を進める。

▼つながりを大切にする教育の推進

 地域や学校、若い世代から高齢世代、そして現在から未来へのつながりを大切にする教育に努める。

【主要施策の推進】

▼生涯にわたり学ぶ社会教育の推進

 生涯学習センターの4年度供用開始に向けて、具体的な施設の運用や事業の準備を進める。

 各公民館では、幅広い世代のニーズに対応できる学習の場を提供する。

 図書館では、ブックスタート事業の継続、乳幼児のための利用しやすい環境整備など、ニーズ多様化に対応するよう努める。

 学校図書室の環境整備を進めるとともに、授業で使用する資料貸出やブックトークを実施する。

 移動図書館車の運行や上西春別中学校に設置する地域開放型図書室の充実に努め、読書率向上を図る。

 本年度のべつかい子ども未来議会は、中学生を対象として主権者教育を進め、地域の教育力を高める。

▼生き抜く力を育む学校教育の充実

 本年度から全8学校区で本格実施となるコミュニティ・スクールでは、地域とともにある学校づくり、そして地域の活性化へつなげる。

 日常の人と人の強いつながりが災害に強い地域を創る視点から、各学校区の防災教育を支援する。

 幼児教育の充実を推進し、保幼小中の一層の連携を図る。

 小中一貫教育について各学校区と連携し、調査・研究を進める。

 本年度からの第3次生き抜く力アッププロジェクト事業では、ふるさと教育と学びの土台づくりに力を入れた事業を展開する。

 ふるさと教育について、本年度は「別海町の魅力を学ぶ」ことを目的に、独自の社会科副読本の作成に向けた調査・研究に取り組む。

 学びの土台づくりについては、読書活動を推進するとともに、新たに「別海町新聞の日」を設け、月に1度、児童生徒に新聞を配布し、子どもたちの読解力向上に取り組む。

 GIGAスクール構想については、児童生徒1人1台端末の整備と高速大容量の校内通信ネットワーク整備を進める。それらの活用に当たり、双方向で協働的な学びとなるよう授業改善を進める。

 不登校やいじめ問題の解決に向け、スクールカウンセラー、ふれあいるーむ指導員、スクールソーシャルワーカーの積極的な活用を行う。また、新たに西地区にふれあいるーむのサテライトを開設し、積極的な対応を進める。

 特別支援教育では、新たな地区への通級指導教室設置に向けて取り組む。

 学校教育の推進については、若手教員や期限付教員の教師力向上に向けて、校長会、教頭会と連携した取組を進める。

 漢字検定、英語検定、算数・数学検定について、本年度、試行的に希望する児童生徒へ受検料を助成する。

 新しい学校給食センターは、本年度から本格的な運用を行っている。食育を進めるとともに、食材の地産地消等に努める。

 別海高校の普通科3間口の確保および酪農経営科生徒の増員を図るため、各種支援事業を継続する。

▼郷土愛と社会性を育む青少年の健全育成

 ふるさと教育は、スポーツ、文化活動や社会教育施設を積極的に活用し、充実を図る。

 町独自のメディアコントロールシートを活用し、青少年の豊かな社会性と情報モラルの育成を図る。

 また、青少年スクール事業を通じて、青少年団体の育成と連携の強化を図る。

 本年度の少年少女ふれあいの翼交流事業は中止するが、今後も継続できるよう取組を進める。

▼地域に根ざし個性あふれる地域文化の振興

 前年度、リニューアルオープンした史跡「旧奥行臼駅逓所」は、6月2日から一般公開している。旧奥行臼駅逓所をはじめとした奥行地区の貴重な遺跡を散策する奥行臼散策デーを開催し、地域の文化財を学ぶ機会の充実を図る。

 西別湿原ヤチカンバ群落地については、専門家による保護対策検討委員会を設置し、保護対策と管理、国の天然記念物指定に向けた調査を進める。

 郷土資料館は、引き続き整備方針を検討するとともに、資料の収集、整理・保管、調査研究を進め、展示物の充実に努める。また、ふるさと講座、郷土学習出前講座、出前移動展を開催し、郷土愛の高揚を図る。

▼活力に満ちた地域をつくるスポーツの振興

 スポーツの普及を通し、内外へ地域の魅力を発信するとともに、人と地域のつながりを深めた活力ある地域づくりを推進する。また、パラスポーツや健常者との交流を目的とした取組を検討する。

 競技力向上セミナーを開催するなど、少年団等の指導者の育成と支援を行う。

 パイロットマラソンは本年度中止となったが、来年10月3日の開催に向け準備を進める。

(市町村 2020-07-06付)

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