札幌市教委　給食フードリサイクル　作物の教材活用２６１校　２年度　堆肥活用２０５校に

（札幌市 2021-02-17付）

　札幌市教委は、令和２年度さっぽろ学校給食フードリサイクル事業に関する報告をまとめた。札幌市学校給食会が提供したフードリサイクル作物を教材として活用した学校は、３０１校中２６１校。フードリサイクル堆肥を活用した学校は２０５校で、「食べ物に興味・関心をもつ子どもが増えた」などの声が寄せられた。市教委は、３年度の堆肥活用校を２年度より１校増の２０６校指定。優れた事例は周知を図り、今後の事業に生かしていく。

　事業は調理くず、残食などの生ごみを堆肥化し、堆肥を活用した食物をフードリサイクル作物として学校給食で提供するもの。食や環境を考え、食べ物を大切にする心を育むことを目指している。

　事業の提供作物にかかる活用状況報告をみると、２年度は市学校給食会が小学校１９８校、中学校９８校、特別支援学校５校の計３０１校に、さっぽろ農学校倶楽部が小学校１０校に、それぞれとうもろこしやかぼちゃなどを提供した。

　市学校給食会が提供したフードリサイクル作物を教材として活用した学校は２６１校。内訳は小学校１７８校、中学校７９校、特別支援学校４校となっている。

　活用した学校のうち、指導した時間は、給食時間が２４１校と最も多く、特別活動が２９校、総合的な学習の時間が２５校と続いた。

　また、市教委は食育・環境教育の充実を図ることを目的に毎年度、フードリサイクル堆肥活用校を指定している。堆肥活用校ではリサイクル堆肥を活用し、教科および総合的な学習の時間・給食時間での指導と事業を関連させるなど、様々な活動に取り組んでいる。

　２年度の堆肥活用校は、小学校１５８校、中学校４５校、特別支援学校２校。

　堆肥活用校の実施報告書をみると、給食時間における指導内容（複数回答）については、指導した学校１９６校のうち、「フードリサイクルの仕組み、目的等」が１２６校と最も多く、「フードリサイクル作物について（生育状況、栄養、鮮度等）」が１０１校、「自分たちで栽培した作物を味わう」が２９校だった。

　堆肥活用校の取組と成果（複数回答）としては、「食べ物に興味・関心をもつ子どもが増えた」が１５７校と最も多く、「栽培活動へ積極的にかかわる子どもが増えた」が１０９校、「食べ物を無駄にしないよう考えたり工夫したりする子どもが増えた」が９３校、「食べものや生産者などへの感謝の気持ちをもつ子どもが増えた」が９１校と続いた。

　家庭・地域との連携（複数回答）については「給食だより・学校だよりなどでフードリサイクルについて情報提供した」が１７１校と最も多かった。

　２年度は新型コロナウイルス感染症の影響によるカリキュラムの変更など、例年どおりの事業実施が難しかったことから、堆肥活用校では「臨時休業中、畑をおこすなどの準備は教員中心で行い、学校再開後に栽培活動を進める中で、フードリサイクルについて伝えた」「給食だよりを通して情報を提供した」などの感想も寄せられた。

　市教委は、３年度の堆肥活用校について、２年度比１校増の２０６校を指定。優れた事例を周知し、事業に生かしていく。

(札幌市 2021-02-17付)