札幌市教委　３年度学校教育の重点　新たに包括的重点設定　感染症対策やＩＣＴなど

（札幌市 2021-02-19付）

札幌市学校教育の重点

　札幌市教委は、令和３年度札幌市学校教育の重点をまとめた。新型コロナウイルス感染症の流行やＧＩＧＡスクール構想の前倒しなどを踏まえ、新たに包括的重点として「感染症対策を講じた学校教育の推進」「小中一貫した教育の推進」「１人１台端末をはじめとしたＩＣＴを活用した教育の推進」の３点を設定。このほか、感染症に対する差別・偏見の防止等にかかる取組や性的マイノリティへの配慮などを追記した。完成した冊子は、今後、市内の全教職員に順次配布していく。

　札幌市学校教育の重点は、幼児児童生徒の発達の段階を踏まえ、学校経営や教育課程の編成および実施、生徒指導などに生かすため、特に重点となる施策や教育内容を示したもの。毎年、全教職員に冊子を配布しており、重点を踏まえ、教職員が一丸となって創意工夫を凝らした特色ある教育課程の編成・実施、学校運営などに取り組むことを期待している。

　２年度版からの主な変更点をみると、従来から掲げている重点①知・徳・体の調和のとれた育ち②札幌らしい特色ある学校教育③子どもの発達への支援④信頼される学校の創造⑤教科等の枠組を越えた教育―の５点に加え、新型コロナウイルス感染症の流行やＧＩＧＡスクール構想の前倒しなど、教育を取り巻く状況の変化を踏まえ、３年度、特に重視していく事項として包括的重点を新たに設定。「感染症対策を講じた学校教育の推進」を新設したほか、４年度に全面実施となる小中一貫した教育の推進、１人１台端末をはじめとしたＩＣＴを活用した教育の推進を強調した。

　豊かな心の育成の一環として、感染症に対する差別・偏見の防止等にかかる取組を新たに掲載。いじめの防止にかかわっては、新型コロナウイルス感染症による差別や偏見を生まない指導として、感染者等への思いやりの気持ちをもつことや医療従事者等に目を向けることの大切さを示した。

　人間尊重の教育には、性的マイノリティへの配慮を追記。人権意識の向上を図る取組の一例としてふれていたものを一つの大項目として取り上げている。

　学ぶ力の育成では、市全体の共通指標など、ほかのページと重複のある事項やほかの資料で確認できるものを整理。３年度に重視して取り組むべき事項を理解しやすいよう構成し直した。

　冊子の表紙では、札幌市の教育が目指す人間像「自立した札幌人」を強調。裏表紙には、従来の札幌市民憲章、札幌市平和都市宣言、さっぽろ地球環境憲章、札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条約に加え、すべての教育活動において意識すべきこととして「ＳＤＧｓ未来都市」を記した。

　冊子は、１６～１８日に市内の園長・校長に配布。今後、市内の幼稚園・小・中学校、高校などの全教職員に行きわたるよう順次配布していく。

(札幌市 2021-02-19付)