道教委　３年度教育行政執行方針　高校で１人１台端末　学び止めず、心近づく教育を

（道・道教委 2021-02-26付）

小玉俊宏教育長

　道教委の小玉俊宏教育長は２５日、１定道議会の開会に当たり令和３年度教育行政執行方針を説明した。「“学びを止めない”“心を近づける”教育の推進」など３点の重点政策を掲げ、高校における１人１台端末環境の実現に計画的に取り組む意向を示したほか、スクールロイヤーによる法務相談体制の構築、遠隔授業配信センターの開設、高校生防災サミットの開催など、教育施策の推進に力を入れるとした。

　小玉教育長は、Society５・０の到来などの変化を「新しい時代の学びと働き方を実現する好機」ととらえ、誰もがどこにいても安心して質の高い教育を受けることができる環境を市町村教委とともに整備するとし、地域社会の持続的な発展に向けて学校と地域が連携・協働を深め、地域創生の原動力となる教育行政を推進する考えを示した。

　その上で、本年度の重点政策として、①「学びを止めない」「心を近づける」教育の推進②生涯を通じ、個性が輝き、豊かさを実感できる教育の推進③北海道への誇りと愛着をもち、未来を切り拓く人づくり―の３点を掲げた。

　①では、新型コロナウイルス感染症への対応として、スクール・サポート・スタッフなど外部人材の配置、保健衛生用品の整備、オンライン学習の充実などのほか、家庭での感染症対策に関する情報発信、児童生徒の心のケア、差別・偏見や誹謗中傷の防止などに取り組んでいくとした。

　②では、幼児教育施設における小学校との連携・接続の強化、義務教育における個別最適な学びと協働的な学びを実現する授業改善、少人数学級編制の拡大、専科教員の増員などを推進。

　高校教育においては、産業界と専門高校が一体となり最先端の職業人育成システムを構築するキャリア教育を充実させるとし、ふるさと納税制度を活用した海外留学やオンライン交流など異文化にふれる機会を創出する。

　また、遠隔授業配信センターを開設し、各地域の小規模校に幅広い教科・科目を配信。地元の高校に通いながら希望する進路を目指すことができる教育環境を整備するとした。

　ＩＣＴ関連では、高校段階における１人１台端末環境の実現に計画的に取り組む考えを表明。ＩＣＴを活用した授業内容の充実、教員のICT活用能力の向上に取り組むほか、外国人や不登校児童生徒への指導充実のためのＩＣＴを活用した学習支援の研究などを進める。

　学校における働き方改革では、時間外勤務等に関する実態調査の評価分析などを踏まえ、道教委が作成した手引『Road』を活用して職員の意識改革を推進。専門人材の配置促進や事務の効率化、スクールロイヤーによる法務相談体制の構築、休日の部活動の地域移行に向けた実践研究などに取り組む。

　③では、社会教育主事や地域に精通した人材が自治体、企業・団体などと連携し、地域課題探究型の学習体験を通じてまちづくりをけん引する地学協働体制を構築。

　防災教育の充実に向け、各地域の１日防災学校の実施を促進し、新たに高校生防災サミットを開催する。

(道・道教委 2021-02-26付)