江別市３年度教育行政執行方針　ICT活用授業本格実施　５年度全校区で小中一貫教育

（市町村 2021-03-10付）

江別市教委・黒川淳司教育長

　江別市教委の黒川淳司教育長は、２月２５日開会の令和３年第１回市議会定例会で３年度教育行政執行方針を説明した。ＧＩＧＡスクール構想に向けて整備を進めてきたタブレット端末や多機能大型ディスプレイ、指導者用デジタル教科書などを中学校に拡充して導入し、これらを活用した授業を６月から本格実施することを示した。新たに策定した市小中一貫教育基本方針に基づき、５年度をめどに小中一貫教育を全中学校区に導入する。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

　国のＧＩＧＡスクール構想に合わせて整備を進めてきた校内ＬＡＮやタブレット端末、多機能大型ディスプレイに加え、新学習指導要領に対応した主要５教科の指導者用デジタル教科書を小学校に加えて中学校に拡充して導入し、これらを活用した授業を６月から本格実施することによって、児童生徒一人ひとりの習熟度に応じた対話的できめ細かな指導を行い、深い学び合いの実現を図っていく。

　専門事業者や市内大学と連携したサポート体制によって、教員の負担軽減と併せてＩＣＴを活用した学習環境の整備を進め、多様な子どもたちを誰一人取り残すことがないよう、協働的で個別に最適化された資質・能力の確実な育成につながる教育の実現を目指す。新たに策定した市小中一貫教育基本方針に基づき、５年度をめどに小中一貫教育をすべての中学校区に導入し、小学校から中学校への円滑な接続や、義務教育９年間を見通した系統的な教育活動を進めていく。

　子どもたちが将来、社会的・職業的に自立し、社会の中で自分の役割を果たして、自分らしい生き方を実現する力を養うため、家庭や地域と連携し、職場体験等の発達段階に応じた活動を行うキャリア教育の取組を進める。

　特別支援教育では、児童生徒が障がいに応じた適切な教育が受けられるよう、教室などの施設改修を進めるほか、特別支援教育支援員の配置拡充を図るとともに、医療的ケアを必要とする児童生徒の受け入れについては、学校に配置する看護師が中心となって、保護者との事前相談や職員のための研修、教室の施設整備などの準備を進めていく。

▼社会教育

　貴重な歴史的建造物を市民の共有財産として広く知ってもらい、その価値を還元することを目指して検討してきた北海道林木育種場旧庁舎について、民間事業者による管理運営のもと、経済活動や地域交流の貢献にもつながる文化財の保存と利活用を進める。

　縄文土器をはじめとする、先史時代から現代までの貴重な文化財や民具を適切に整理・保存するため、老朽化した文化財整理室を旧角山小学校に移転し、郷土資料館の常設展示や企画展における収蔵資料の一層の活用を図るとともに、調査研究や情報発信の推進につなげ、江別の歴史・文化を次代に継承していく取組を充実させる。

▼スポーツ

　はやぶさ運動広場移転にかかる基本構想に基づく少年野球場の建設を進め、都市と農村の交流センター「えみくる」へ移転することで、スポーツ環境の向上を図るとともに、一体的な利用によって施設の効用を高め、地域との交流促進、青少年の健全育成につなげる。

(市町村 2021-03-10付)