大樹町3年度教育行政執行方針 小学1年2学級確保へ 大樹高2間口復活目指す(市町村 2021-03-11付)
大樹町教委・板谷裕康教育長
【帯広発】大樹町教委の板谷裕康教育長は2日開会の令和3年町議会第1回定例会で3年度教育行政執行方針を説明した。小学校新1年生が学年1学級になる見通しであることから、町の自主財源で教諭を雇用し2学級確保に取り組む意向を表明した。また、大樹高校の魅力を積極的に発信し、地域ぐるみで2間口復活を目指す考えを示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼確かな学力の育成
GIGAスクール構想に基づき整備を進めているICTを有効活用した分かる確実な授業づくりを通し、学力向上に努める。
個に応じた丁寧な指導のための支援員配置については、人材難がさらに厳しい状況になっているが、できる限り確保に努め、きめ細かな対応を図っていく。
約40年ぶりに、国の学級編制基準が段階的に35人となったが、本町の少子化の深刻度は増し、本年の小学校新1年生の通常学級の在籍数は確実に35人を下回り、学年1学級になってしまい、何も手を施さなければ、小中9年間一度もクラス替えのない固定化・硬直化された学級集団環境となってしまう。
この危機的状況を打破することが最優先課題と認識し、地域の実情に応じて柔軟に学級編制できる仕組みを活用し、町の自主財源で教諭を雇い、2学級確保に努力する。
▼豊かな心の育成
他人事ではなく自分事として、しっかり自分の生き様や道徳的価値と向き合い、考え、議論する道徳の充実に努める。
読書活動においては、読書に親しむ生活習慣づくり、朝読書の凡事徹底を推奨し、落ち着きと豊かな感性・創造力を育む教育環境の充実を図る。
▼小中高連携の推進
「大樹学」の推進では、小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業の財産を精査し工夫を加えながら、町議会・家庭教育サポート地域企業等との連携を引き続き進めていく。
地の利と天の時を生かすとともに、「宇宙のまち大樹」に関心が集まっている追い風を活用し、子どもの発達段階を考慮した系統性のある教材研究に取り組み、より実効性のある教育課程に見直していく。
また、航空宇宙関連産業のみならず「自然環境に恵まれた大樹」「酪農王国大樹」など、基幹産業である第一次産業や観光資源のよさに着目し、地域を深く知り、地元のよさに自信と夢をもつ人づくりにつなげる。そのため、貴重な実体験を提供する南十勝長期宿泊体験交流協議会(STEP)事業の活用に努める。
▼地域の教育力の向上
コミュニティ・スクール(CS)の肝である地域学校協働本部の充実とともに、子どもの第一義責任者である保護者の意識啓発につながるPTA活動に努める。
コーディネーターを中心に、学校のニーズを吸い上げ、専門的な外部講師・人材を発掘・紹介し、学校現場とつなぐことによって、本物にふれる機会を提供し教育の質を向上させる。
深刻化する学校の働き方改革の一助となる学校運営協議会を活性化し、保護者・地域住民の理解・関心を高め、地域の教育力向上に努める。
▼大樹高の充実・活性化への支援
3年度の公立高校配置計画では、大樹高の募集が1間口に削減されてしまった。しかし、4年度は地元大樹町をはじめ更別村の中学3年生の人数も増えることから、大樹高受検者が確実に40人を超す状況になれば、2間口復活も可能との回答をいただいている。
大樹高は、授業のユニバーサル・デザイン化を通した個に応じた学びの充実で、落ち着いた学校との好評を得てきたが、2年連続で地元中学校からの進学率が5割を切り、学級数減に伴う教員数減で、手厚い選択授業が不可能になるなど危機を迎えている。
更別、中札内をはじめ、南十勝の普通科高校としての位置は確立しており、大樹高の魅力を積極的に発信し、地域ぐるみで2間口復活の奇跡を実現すべく奮闘中なので、支援・協力をお願いする。
(市町村 2021-03-11付)
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