利尻富士町　教育行政執行方針　小中一貫教育を検討　人工知能型教材導入図る

（市町村 2021-05-12付）

利尻富士町・島谷一昭教育長

　【稚内発】利尻富士町教委の島谷一昭教育長は令和３年度教育行政執行方針において、人工知能型教材Qubena（キュビナ）の導入を図るとともに、デジタル教科書の活用研究に取り組むとした。小学校から中学校に進学する際の接続をより円滑なものとするため、義務教育９年間の系統性・連続性に配慮した教育課程や、地域や学校、児童生徒に適した小中一貫教育への構想について、地域や学校、保護者等と検討を始める。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力の育成を目指す教育の推進

　新学習指導要領を踏まえた教育課程の編成や実施・評価・改善に取り組み、児童生徒一人ひとりの学習進度に応じた個別最適な学びと社会につながる協働的な学びを進める。

　GIGAスクール構想で導入した１人１台のタブレット端末などICTを活用した教育については、教職員によって積極的に研究を進め、学校と家庭、学校と学校を結んだオンライン授業の構築を図るとともに、各教科等においてICTの特性や利点を生かした授業内容の充実に取り組んでいる。

　本年度はICT教育活動補助金を計上し、取組を進化させ、児童生徒１人ひとりの習熟度に合わせた効果的・効率的な学習を提供する。人工知能型教材Qubena（キュビナ）の導入を図るとともに、デジタル教科書の活用研究にも取り組んでいく。

▼特別支援教育の推進

　特別支援学級は、鴛泊小学校３学級、利尻小学校２学級、鴛泊中学校１学級の６学級体制となり、並行して、特別支援教育支援員を鴛泊小と利尻小に配置し、教職員を補助し協力して児童生徒の支援に取り組んでいく。

▼国際理解教育の推進

　国際社会において主体的に行動できる資質・能力を育成するため、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度や能力の素地を養っていく。外国語指導助手（ALT）による指導や外国語に親しむ機会の充実に努める。

▼環境・情報・産業・キャリア教育の推進

　現在、温暖化や自然破壊など地球環境の悪化が深刻化し、環境問題への対応が重要な課題となっている。人々の生活や自然環境との関連性に目を向けさせ、豊かな自然を守っていこうとする意欲や態度の育成と指導の充実を図る。

　情報技術を手段として学習等に利活用できるよう、指導の充実と学習支援の研究促進、地域や産業界の協力のもと、外部人材による講話や体験学習、職場体験など地域と連携した産業教育やキャリア教育の充実に取り組んでいく。

▼学校段階間の連携・接続の推進

　社会の目まぐるしい変化や子どもたちの心身発達の早期化などに対応し、児童生徒個々の能力を十分に引き出すことや、小学校から中学校に進学する際の子どもが感じる段差に対し、その間の接続をより円滑なものとするため、義務教育９年間の系統性・連続性に配慮した教育課程や、地域や学校、児童生徒に適した小中一貫教育への構想について、地域や学校、保護者などと検討していく。

▼教職員の資質・能力の向上

　学校教育を取り巻く環境の変化や各学校における教育課題を受け止め、児童生徒の実態に即した研修活動を継続的・計画的に実践し、児童生徒の学力の実態を踏まえた研修活動の積み上げを日常的に進める。

　これからの学校教育を支える必要不可欠なツールとなったICTの利活用研究をはじめ、学校や教職員が取り組む教育研究や校務の効率化などを支援する。

(市町村 2021-05-12付)