豊富町　３年度教育行政執行方針　小学生対象に公設塾　プログラミング学習充実

（市町村 2021-05-13付）

豊富町教委・岡本誠也教育長

　【稚内発】豊富町教委の岡本誠也教育長は令和３年度教育行政執行方針において、小学生を対象に基礎学力の定着を目的に公設の学習塾を新設するとした。幌延町と共同で小学校専科担当教員の配置による授業改善推進事業を展開し、プログラミング学習の充実を図っていく。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼期待と信頼による学校づくりの推進

　学校評価を計画的に進め、その結果の分析をもとに改善すべきものは早急に改善し、信頼される学校経営に努める。

　学校施設の充実については、新型コロナウイルス感染症ならびにインフルエンザ感染症の対策として、令和２年度に各学校に光触媒空気清浄機や手洗い用消毒液、非接触型の体温測定機、水道蛇口のコック式やセンサー式への変更などに対応したが、新たに効果が得られる対応があれば、積極的に導入していきたい。

　また、教職員の多忙化が依然として解消されない状況であり、働き方改革アクションプランによって業務改善を推進した。２年度から導入している地域の人材を活用したスクールサポートスタッフを継続配置し、事務的軽減を図るとともに、各小・中学校での校務分掌の業務内容の見直しを行い、教職員個々の負担軽減に努める。

　部活動の外部指導者の発掘などによって、教職員が子どもと向き合う時間の確保を推進する。

　兜沼小中学校については、小規模特認校を推進している。３年度は小学校の学年が１～６学年まで在籍となり、複式３学級での地域の特色や小規模校の特色を生かした学校経営に努めていく。

▼社会で生きる確かな学力、資質・能力の育成

　学力向上に向けた取組として、北星学園大学の学生や教師を目指す高校生の協力を得て、基礎的な学習内容を定着させ、「教え合う」「学び合う」心を育む学びの教室を推進する。

　３年度から公設による学習塾を新設する。この学習塾においては、まずは小学生を対象に児童の理解の状況に応じて苦手な教科を優先し、丁寧に指導しながら基礎学力の定着を図っていく。

　国が進めるＧＩＧＡスクール構想によって、児童生徒１人１台の通信端末環境が整備された。また、幌延町との共同によって、小学校で専科担当教員配置による授業改善推進事業を実施し、これから本格的になるプログラミング学習の充実を図っていく。

　国際理解教育の充実として、小学校における外国語や外国語活動の導入によるALT（外国語指導助手）との協働学習を推進する。

▼主体的に考え判断する豊かな心の育成

　新型コロナウイルス感染症での長期休業も予想されることから、家庭内での学習も主体的に学習することが望まれ、タブレットを活用した指導も重要と考えている。今後、保護者の理解を深め、児童生徒が自ら調べる力を身に付け、学習する意欲の向上を図っていく。

▼学びを生かした教育環境づくりの推進

　近年、児童生徒の減少によって高校の小規模化や再編が進む中、小中高との連携の在り方について、特に、小学校と豊富高校とのつながりを強め、高校までは豊富町で学習できる環境を認識してもらうなど、学校間交流を推進していく。

　豊富高の存続に向けた取組も通学費や各種検定料の助成、修学基金の貸付、入学生の保護者に制服、上靴、指定ジャージの助成を継続する。

▼未来の豊富をつくる人づくり地域文化の創造

　核家族化が進む中で、共働き世帯の児童に対し、３年度から公設公営による学童保育を開設し、児童の健全育成を図るとともに、指導者の育成に努めていく。

(市町村 2021-05-13付)