釧路市教委　学力向上推進委が始動　授業改善重視し活動　岡部教育長　学校間格差解消を

（市町村 2021-05-14付）

委嘱状を受け取る委員

　【釧路発】釧路市教委が本年度新設した学力向上推進委員会が活動を開始した。４月下旬に釧路教育研究センターで委嘱状交付式と第１回委員会を開催。長年の課題となっている市全体の学力向上に向け、解決の鍵となる授業改善に重点を置いた活動を展開していくことを確認した。

　委員会は、これまで活動してきた基礎学力検証改善委員会を発展させる形で新設したもの。学力向上にかかる教育的施策の成果と課題を検証し、学力の向上に資することがねらい。特に、授業改善に重点を置くことで、指導力等の差をなくし、より確実に学力を身に付けさせることを目指す。

　委員は教職員６人で構成。委員長には、幣舞中学校の本川敬一校長が就任し、委員には小・中学校から教諭５人が選ばれた。任期は来年３月末までの１年間。

　今後は委員が中心となって、全国学力・学習状況調査や市標準学力検査などを参考に課題を分析。教員に授業を公開するなど、より実践的に授業改善を追究していく。

　このほか本年度は、授業改善のチェックリスト「釧路市授業スタンダード」を活用する。教師版と児童生徒版の２種類があり、教師版では、学ぶ意味や楽しさが感じられる授業展開、魅力ある授業にするための構想・導入の工夫など、授業づくりの基本項目を４０項目を示している。自己評価しながら、授業改善に取り組む。

　児童生徒版には、安心して学びに向かう心構えや準備、自分の力を伸ばす方法など、授業に臨む基本姿勢などを示している。

　また、優れた授業実践を行っている教員を「授業マイスター」に認定する制度を運用する。認定された教員は次年度以降、授業改善にかかる研修での指導助言を行うとともに、委員会に加わる。

　委嘱状交付式では、岡部義孝教育長が一人ひとりに委嘱状を手交。あいさつでは、授業改善と学校間格差の解消、ＧＩＧＡスクール構想の推進を重点に挙げ「子どもの将来の可能性を伸ばすパスポートの一つが学力。最低限の学力を身に付けさせて社会に送り出すことが使命」と強調した。

　交付式後には第１回委員会を開き、本年度の活動内容等を確認した。

　今後は月に１回、委員会を開催し、昨年視察した秋田県大館市とのオンライン交流を交えながら、優れた授業の共有や授業の改善点などを分析していく。

　本年度の委員はつぎのとおり。＝敬称略＝

▽委員長＝本川敬一（幣舞中校長）

▽委員＝佐藤義人（昭和小教諭）、新谷将司（景雲中教諭）、谷口敬太（芦野小教諭）、大内拓哉（春採中教諭）、所桂太郎（美原中教諭）

(市町村 2021-05-14付)