道議会質疑 一般質問(令和2年12月2日)(道議会 2021-05-13付)
【Q 質問QuestionA 答弁AnswerP 指摘Point outO 意見OpinionD 要望Demand】
【質問者】
▼渡邊靖司議員(自民党・道民会議)
▼久保秋雄太議員(自民党・道民会議)
▼菊地葉子議員(日本共産党)
【答弁者】
▼鈴木直道知事
▼山岡庸邦経済部長
▼鍬田信知人事委員会委員長
▼小玉俊宏教育長
◆札幌医科大の学修機会確保
Q渡邊議員 札幌医科大学は、道立の医科系総合大学として、医師をはじめ、地域に貢献する医療人の育成に大きな役割を果たしている。
札医大で学ぶ学生が、医療人として求められる知識や技能、見識を身に付けるために、コロナ禍においても学修機会が確保されることが重要であるが、令和2年度の前期の授業では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、一部の実習などを除き、オンラインによる遠隔授業を実施してきたと聞いている。
一方で、文部科学省からは、オンラインなどを通じた遠隔授業の実施のみで完結するものではなく、感染対策を講じた上で、面接授業について工夫して、実施を検討するよう求められていると承知している。
こうした中、道として、札医大が、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図りながら、学生の学修機会を確保するよう、支援する必要があると考えるが見解を伺う。
A鈴木知事 札医大における学修機会の確保について。札医大においては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図りつつ、学生の学修機会を確保するため、オンライン授業を積極的に利用している。
一方、大学教育においては、高い教養と専門的能力を培うとともに、豊かな人間性を養う上で、対面による学生同士や教職員との人的な交流も重要な要素となっている。
このため道では、学修機会の確保と感染対策の両立を図るため、学生がオンライン授業で使用するパソコン等を貸与するこれまでの支援に加え、密を避けるため、一つのクラスを2教室に分けて、対面による授業とリアルタイムでの配信授業を交互に実施することが可能となるよう、タブレット端末の導入に対する新たな支援を行うこととした。
道としては、今後も札医大において、ウイズコロナにも対応した教育環境の整備が図られ、本道の地域医療を担う、人間性の豊かな医療人が育成されるよう、必要な支援に努めていく。
◆児童相談体制の充実
Q渡邊議員 児童相談所の虐待相談対応件数は、全国的にも、道児相所管分も同様に、毎年増加を続けている。
同時に、職員一人ひとりの負担も増え続けており、それを緩和するために、地域の児童家庭支援センターと連携を図って協力体制を確立すべきであり、そのためには、日ごろから定期的な情報交換の場をもつことが必要ではないかと、第2回定例会において指摘をさせていただいたが、その後の児童家庭支援センターとの連携と協力体制について伺う。
A鈴木知事 児童家庭支援センターとの連携などについて。現在、道では、すべての児童相談所の処遇検討会議や研修会などにセンターの職員に参画していただき、定期的に情報交換を行っているほか、個別のケースについての処遇に当たり、連携した対応を取るなどして、それぞれが十分に機能を発揮し、増加する虐待事案や専門的な相談に的確に対応できるよう努めている。
Q渡邊議員 国は、児相の対応件数の増加に伴い、児童福祉司を4年度の5260人を目標に、現在の約4200人からさらに1000人ほど増やす計画を実行中であるが、現場からは、急激な増員と育成のバランスの難しさに悩む声もあり、職員の質の向上も課題となっている。今後の道の見解を伺う。
A鈴木知事 人材確保について。国のプランの目標年次にある4年度に向け、児童福祉に精通した民間経験者の任用など、計画的に専門職員を増員してきているほか、採用後も、虐待対応をはじめとした、より実践的な手法を学ぶ研修を実施するなど、人材育成を進め、子どもの安全・安心を守る体制の強化に取り組んでいく。
◆学校のICT環境整備
Q渡邊議員 義務教育段階のすべての子どもたちが授業などでICTを活用して学習することができるよう、1人1台端末の整備を進めるGIGAスクール構想の取組が全国の自治体で進められている。
公表されている文科省の調査結果では、8月末の段階で整備が完了しているのは、全国1812の自治体のわずか2%に過ぎず、その他の自治体では、12月までに整備を終える予定としている団体が27%、来年3月の年度末としている団体が70・6%という状況になっており、名古屋市など一部の自治体では、年度内にすべてを整備することは難しいと報告している。
当初は、学習活動の需要に対応し、学年ごとに、5年までの導入を目指していたものを、学校の臨時休業などにも対応できるようにするため、一気に3年間前倒しをしたことから、全国的に、端末等の需要が急増し、調達が極めて難しいことは予想されていたが、ハード面のみならず、ICT環境を効果的に学習活動に活用するための体制づくりも喫緊の課題となっている。
現在、道内の小・中学校等における端末などの整備状況はどのようになっており、今後の整備促進や学習活動への円滑な導入に向けて、道教委は、どのように準備を進め、学校を支援していく考えなのか伺う。
A小玉教育長 GIGAスクール構想の実現に向けたICT環境の整備について。1人1台端末の整備に関する文科省の調査によると、道内の自治体のうち、約3割の52市町村が年内に調達を完了する予定で、その他の市町村も年度内に整備を終える予定。
道教委としては、各学校においてICT環境が円滑に整備されるよう、引き続き、市町村に対する情報提供や助言を行うとともに、ハード整備の支援と並行し、授業で活用できるコンテンツ集や、学年、教科の特性に応じた授業モデルをポータルサイトで情報発信し、さらには、教育局や道立教育研究所が行う研修を一層拡充するなどして、本道のすべての学校において、ICTを活用した学習活動の充実が図られ、子どもたち一人ひとりの学びの質を高めていくことができるよう、各学校への支援に取り組んでいく。
◆ふるさと教育
Q渡邊議員 道が3月に策定した総合教育大綱では、チャレンジで夢をかなえることや、ふるさとを誇り、自ら動くことなどを視点とし、社会情勢の大きな変化に適応し、新たな時代を生き抜くことができる教育・人づくりに取り組み、夢や希望へのチャレンジを応援する北海道づくりを進めることを基本理念としている。
道と道教委は、こうした理念を実現するため、緊密に連携しながら、ライフステージの各段階において、学校や家庭、地域、行政などが一体となって、必要な施策を推進するとしており、道教委でも、教育推進計画に、「ふるさとを想い、グローバルな視野で共に生きる力の育成」を第1の重点として、ふるさと教育の充実などの取組を進めている。
小・中学校では、地域の施設や人材など、身近な教育資源を活用した学習、高校では、本道の基幹産業を支え、地域を守り育てる人材の育成に向けて、地域の課題解決を図る学習、さらに、2年度からは、ふるさと納税等を活用した道立学校の特色ある教育活動やグローバル人材の育成を図るふるさと応援事業にも取り組んでいる。
ふるさと応援事業は、元年9月からの寄付金募集となったため、2年度は十分な事業規模とは言えないが、誰もがふるさと納税制度を通じて、ふるさとの学校や海外との交換留学などを応援し、ふるさと創生や国際交流の一端を担うことができる意義ある取組と考えており、周知を図りながら、内容などを充実させていく必要がある。
道教委は、学校や家庭、地域としっかり連携し、ふるさと教育の一層の推進を図っていく必要があるが、今後どのように取り組んでいくのか伺う。
A小玉教育長 ふるさと教育について。人口減少やグローバル化が進む中、子どもたちが本道の未来を切り開いていくためには、ふるさとへの誇りと愛着を抱き、地域社会の一員として、まちづくりに参画しようとする意欲や資質・能力を育むことが重要と認識している。
このため、道教委としては、小・中学校では、アイヌの人たちの歴史・文化等をテーマに体験的な学習活動を行う道ふるさと教育・観光教育等推進事業、高校では、地域の魅力や課題を探究し、企業等と連携して課題解決に取り組む道ふるさと・みらい創生推進事業などを実施してきた。
今後は、こうした取組に加え、本道の豊かな自然や歴史、多彩な文化や産業等について小・中学生が自ら学ぶことができるウェブサイトを充実させるとともに、地域づくりの役割を担う社会教育関係の方々の協力も得ながら、高校と地域の行政機関やコミュニティー、地場産業などとの持続可能な連携協働体制づくりを進めるほか、道立学校ふるさと応援事業によって、道内外の方々に応援をいただきながら、各学校と地域が一体となった教育活動を展開するなど、ふるさと教育の一層の充実を図り、グローバルな視野で北海道の未来を担う人材の育成に取り組んでいく。
◆道立高校のコロナ対策
Q久保秋議員 今般、道内においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大傾向が続き、特に札幌市においては危機的な状況が続いている。
こうした中、専門学校生や高校生には、新型コロナウイルス感染者と接触しているにもかかわらず、保健所から濃厚接触者と判断されるまで行動制限がかけられず、自由に行動している現状があると聞く。私立高校においては、濃厚接触者との接触者は休ませるなどの措置を講じている学校もあると承知している。
道立高校においては、保健所の濃厚接触者の特定に時間を要する状況にあった場合など、感染拡大防止の観点から、速やかに対応する必要があると考える。その対応について伺う。
A小玉教育長 感染症拡大防止対策について。道立学校においては、国の衛生管理マニュアルに基づき、マスクの着用や手指消毒、身体的距離の確保など、感染防止対策を講じているが、10月以降、多くの学校において生徒の感染が確認され、集団で感染する事例も発生している。
生徒や教職員の感染が判明した場合は、保健所による濃厚接触者の特定を受け、学級や学年、全校など、必要な範囲の臨時休業をすることとなるが、現在、濃厚接触者の特定に時間を要する状況も生じている。
こうした場合においては、学校と連携し、当該生徒が在籍しているクラスのほか、選択授業を共に受ける他のクラスの生徒の状況、さらには、昼食時や登下校時の様子、部活動などを把握し、臨時休業や、感染の可能性がある生徒を個別に自宅待機させるなどの措置を講じており、今後も、こうした初動時の対応に万全を期すことによって、感染拡大の防止を徹底していく。
◆地域と学校の連携協働活動
Q久保秋議員 近年、急激な社会の変化に伴い、学校と地域を取り巻く課題はますます複雑化しており、学校においては、いじめや暴力行為等の問題行動の発生、不登校児童生徒数の増加、特別な配慮を必要とする児童生徒の増加など、多様な児童生徒や保護者等への対応が必要となっている。また、そのような学校の役割の拡大によって、教員の業務量が増加しているといった課題も出てきている。
一方、地域においても、家族形態の変化、価値観やライフスタイルの多様化などにより、地域社会における支え合いやつながりが希薄化することによって、地域社会の停滞や教育力の低下などが指摘されている。
そうした状況の中、地域と学校の相互の連携協働のもとに、地域づくりと学校づくりを進め、一体となって子どもたちの成長を支えていくことが必要であり、そのためには、住民の主体的な参画による持続可能な地域づくり、学校づくりに向けて、社会教育がこれまで以上に役割を果たすことが期待されると考える。
道教委では、地域と学校の連携協働の活動をどのようにとらえ、どのように取り組んでいくのか伺う。
A小玉教育長 地域と学校との連携協働活動について。児童生徒と学校をめぐる課題を解決し、未来を担う子どもたちの豊かな成長を支える地域社会を実現するため、学校と地域住民等が力を合わせ、学校運営に取り組むコミュニティ・スクールと、地域と学校が対等なパートナーとなって取り組む地域学校協働活動の一体的な展開が必要であると認識している。
一方、地域においては、公民館等の社会教育施設における活動を通じて学んだ住民の方々が、それぞれの成果を社会に還元していくことが期待されている。
このため、道教委としては、幅広い住民の主体的な参画を得ながら、大人と子どもたちが一緒になって学校を核とした地域づくりを進めることとしており、今後、社会教育士をはじめとする、地域と学校をつなぐコーディネーターの確保、育成や、産官学を結ぶ地域ネットワークの充実などに取り組んでいく。
◆コロナ禍の学生支援
Q菊地議員 コロナ禍において、道内の来春卒業予定者の新卒内定率が低下し、在学中の学生も、アルバイトのシフト減などで生活が困窮している様子がみられる。
学生に対する就職支援や生活支援などが必要と考えるが、どのように取り組むのか、伺う。
A山岡経済部長 新型コロナウイルス感染症対策に関し、学生への支援について。感染症流行の長期化によって、新規学卒者の内定状況や、働きながら学ぶ学生の収入面などに影響が広がっており、道では、中長期的視点に立った採用等について、先週、知事から経済団体にあらためて要請するとともに、新規学卒者の就職活動の支援に向け、ジョブカフェにおけるカウンセリングやウェブによる企業説明会に取り組んでいる。
また、困窮する学生に対し、北海道短期おしごと情報サイトによるアルバイト情報の発信に加え、国の奨学金制度や生活福祉資金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金など、各種支援策の活用を大学等を通じて広く周知してきたほか、大学生などを対象に、事務補助職員として臨時的な採用を実施している。
◆1年単位の変形労働時間制
Q菊地議員 1年単位の変形労働時間制の導入で労働時間が削減されないことは、道教委自身もすでに認め、議会議論においても、管理職の新たな業務負担や、長時間労働の削減など、是正できていない課題があまりに多く、指摘された課題をどう改善されたのか伺う。
A小玉教育長 1年単位の変形労働時間制の導入による課題の解決について。本制度を実効性のあるものとするには、他の施策と組み合わせ、一体的に業務削減等につなげていくことが重要と考えている。
このため、道教委としては、本制度の導入に伴う管理業務ができるだけ負担とならないよう、手続きの簡素化を進めるとともに、勤務時間の柔軟な設定や、まとまった休日の確保によって、心身にゆとりができるといった本制度の利点を踏まえ、業務の適正化や、各種調査の廃止、簡素化、研修の精選などの効果や課題を検証しながら、在校等時間の縮減に取り組んでいく。
さらに、教頭を対象に忙しさを感じる業務等に関する意識調査を行い、結果を踏まえて、既存業務の効率性を一層向上させるため、助言するなどの対策を講じながら、各学校の管理職が真に必要な業務に注力できるよう支援していく。
Q菊地議員 次年度以降に条例制定を予定している団体は、令和2年9月時点で4県と承知している。なぜ、道は、反対の声を無視して、全国の先陣を切って条例制定を急ぐのか。他県のように先送りして、引き続き議論すべきではないか。
人事委員会は、議案第13号を適当とする意見書を議長に提出したが、適当と判断した根拠は何か。
議会で指摘した問題点を教育庁は人事委員会にどう周知し、周知された人事委員会は各委員にどのように周知し、委員会でどう議論されたのか伺う。
A小玉教育長 1年単位の変形労働時間制の導入時期について。道教委が2年9月に実施した各道立学校や市町村教委に対する意向調査では、職員が活用できるよう検討したいとの回答が約8割であった。
また、校長会をはじめ、庁内および有識者、現場で働く一般の教諭なども交えた学校における働き方改革促進会議においても、様々な議論をいただいた。
この制度の導入は、各市町村教委や学校の判断によるものであり、教員が健康で、ゆとりとやりがいをもって業務に集中できる環境を整備することが何よりも重要であると認識している。
道教委としては、学校における働き方改革は様々な施策を尽くし、総合的に取り組む必要があると考えており、本制度についても、働き方改革を推進する一つの選択肢として、各学校において選択的に活用できるよう、今般、条例を提案した。
人事委員会との連携などについて。道教委としては、人事委員会に対し、公開の場で議論いただいている道議会における議論につては、特段、情報提供等は行っていないが、1年単位の変形労働時間制の導入に関する条例提案に向けては、文部科学省から示された省令や指針をはじめ、条例、規則の例、また、『導入の手引き』などについて、随時、情報提供等を行ってきた。
また、今後、このたびの条例案が可決されれば、人事委員会において規則が整備されることとなり、国の通知でも、本制度の運用状況について、人事委員会等と認識を共有し、専門的な助言を求めるなど、連携を図ることとされていることから、道教委としても、適切に対応していく。
A鍬田人事委員会委員長 条例案についての意見について。人事委員会は、地方公務員法に基づき、職員に関する条例の制定や改正に関し、議会からの求めに応じて意見を申し出ることとされている。
本定例会の議案第13号に対する意見については、1年単位の変形労働時間制を導入できるようにした法改正の趣旨や内容を踏まえ、教育委員会から提供された制度等に関する資料を基に協議したところ、道において、この制度を導入するために条例で定めることが必要な事項が盛り込まれており、その内容は適当と判断した。
委員会としては、本制度の運用に当たり、教育委員会と認識を共有し、連携を図ることとされていることから、人事委員会としての役割を適切に果たしていく。
Q菊地議員 教育長は、意向調査で約8割が検討したいとの結果が出たというが、現場の教職員の意向調査ではない。
教職員組合が行った緊急アンケートでは、95%もの教員が道教委の意向調査に当たって意見を聞かれていないと答えている。
一面的な意向調査で、教職員の意向が十分反映されたと言い切れるのか。現場の教職員の声を教育長はどう把握し、どう検討したのか伺う。
教育庁は、道議会における議論について情報提供は行っていないとのことだが、その必要性を感じなかったのか伺う。
A小玉教育長 1年単位の変形労働時間制について。道教委では、すべての職員の本制度に対する理解が深まるよう、これまで、説明動画の配信や、『導入の手引き』、リーフレットの配布などを行うとともに、各市町村教委に対する意向調査を行っており、市町村教委からは、所管の学校の意見も伺いながら回答をいただいている。
また、いくつかの学校に対しては、本庁職員が直接出向き、一般の教員も含め、制度導入にかかわる意見を伺ってきた。
その上で、学校における働き方改革は、様々な施策を尽くして総合的に取り組む必要があり、本制度については、働き方改革を推進する一つの選択肢となり得るものとして、今般、条例提案を行ったものである。
人事委員会との連携などについて。人事委員会は、人事行政の専門機関として、地方公務員法に基づき、職員に関する条例の制定や改正に関し、議会からの求めに応じて意見を申し出る役割を担っているものと承知しており、道議会における制度導入の是非などに関する議論については、公開の場で議論いただいているものとして、特段の情報提供は行っていないが、1年単位の変形労働時間制の導入に関する条例提案に向け、文科省から示された省令や指針をはじめ、条例、規則の例、『導入の手引き』などについて、随時、情報提供等を行ってきた。
今般の条例提案に対し、人事委員会では、法に基づき、議会からの求めに応じて意見を申し出たものと承知している。
Q菊地議員 人事委員会は、委員会での議論はもちろん、各委員にも道議会で指摘された問題点を十分に周知せず、制度の立てつけのみで適当と判断した。これは議論の形骸化ではないか。なぜ、指摘された問題点を委員に周知し、議論しなかったのか伺う。
A鍬田人事委員会委員長 条例案への意見について。当委員会では、条例案は、教育委員会において、これまでの議会議論を踏まえ、必要な検討を行った上で提案されたものと受け止め、その内容は適当と判断した。
当委員会としては、本制度の運用に当たっては、教育委員会と連携を図りながら、適切に対応していく。
Q菊地議員 現場の教職員からは、教員を増やさず、働き方改革、変形労働時間など、絵に描いた餅という声も届くなど、道教委が現場の教職員から信頼されているとは言えない状況で、道教委が説明しても、なお、反対が多数寄せられている現状をどう考えるのか伺う。
風通しのよい職場をつくるには、現場の声を受け止め、その声を十分に反映させることが不可欠だが、こうした声とどう向き合い、反映させるのか伺う。
A小玉教育長 1年単位の変形労働時間制について。本制度の導入に関しては、様々な意見があるものと承知している。
学校における働き方改革は、様々な施策を尽くして、総合的に取り組む必要があり、1年単位の変形労働時間制については、働き方改革を推進する一つの選択肢と考えているが、このたびの条例提案は、そのための環境整備であり、実際に導入するかどうかは、各学校の実情や職員の状況に応じて検討の上、活用されるべきものと考えている。
したがって、私としては、教員一人ひとりに働きがいを感じながら、健康で、ゆとりをもって子どもたちと向き合う時間をもちたいという願いをかなえていただくことが重要と考えており、教員はもとより、学校や教育委員会と一層対話を深めながら、現場の実情に即した働き方改革が進むよう、全力で取り組んでいく。
◆コロナ禍の教育機会確保
Q菊地議員 コロナ禍における現状や関係者が抱える不安をどう認識しているのか。
また、学ぶ機会が失われたまま、画一的に卒業させるべきではないと考えるが、どう対策を講じるのか伺う。
A小玉教育長 コロナ禍における教育機会の確保について。道立特別支援学校では、昭和54年の養護学校義務制の実施以前に、心身の障がいを理由に小・中学校への就学義務を猶予または免除され、義務教育を受けていない人を含め、通学して教育を受けることが困難な児童生徒に対し、教員が、家庭、児童福祉施設、医療機関等に出向いて実施する訪問教育によって、教育機会の確保に取り組んでいる。
各学校では、感染予防に配慮しながら訪問教育を実施しているが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、教員が福祉施設等へ出向いて十分に授業ができない状況も生じており、本人、保護者からは、授業時間が確保されないまま卒業となるのではないかといった不安の声があると承知している。
特別支援学校の卒業認定については、これまでも、学習内容や出席日数等を踏まえ、児童生徒一人ひとりの状況に応じて、各校長が総合的に認定するとしている。
道教委としては、訪問教育で学ぶ児童生徒についても同様に、コロナ禍による教育機会の中断、縮小等も踏まえながら、卒業について適切に認定するよう指導助言していく。
(道議会 2021-05-13付)
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