オンデマンド・双方向　組み合わせ研修　事前に知識習得し実習　網走　実技研修「技術科指導」

（関係団体 2021-06-11付）

　【網走発】網走地方教育研修センターは、５月上旬から行っている実技研修講座「技術科指導」でオンデマンド型と双方向型を組み合わせたオンライン研修を展開している。事前に動画を視聴して知識を得た上で、双方向型通信で実習を行うなど、受講者が主体的に参加できる工夫を進めている。講座は７月ころまで行う予定。

　センターは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、集合形式に代わる新たな形式として、ウェブ会議システムＺｏｏｍを活用したオンライン研修を推進。前年度は１９講座中１４講座で実施した。

　近年の集合研修では、授業参観と研究協議を合わせた実施形態が主流となっていることから、オンライン研修でも一つの形態にこだわらず、受講者全員が主体的に参加できるよう工夫を進めている。

　実技研修で初のオンライン開催となった技術科指導講座は、オンデマンド動画を事前に視聴して知識を得た上でＺｏｏｍでの双方向型研修を受講する、これまでのオンライン研修から一歩進んだ形態とした。

　また、技術科は免許外指導が多い状況にあることから、「実技研修のみならず、悩みなどを参加者間で交流したり、授業改善のポイントを伝えたりしたい」という講師陣の思いを踏まえ、本来は１日日程の講座を４回に分割し、指導や評価に関する悩みなどを交流する場面を設けた。

　講師は、北見市立北小学校の井川大介教諭、湧別町立湧別中学校の田牧侑也教諭、北見市立緑小学校の山田雄太教諭の３人。金属製の蒸気機関車模型の組み立てを通して、真ちゅう板の部品切断、ねじ切り、板金用はんだごての使用など、金属加工の基礎を学ぶ内容の講座などを展開。

　５月中旬に実施した２回目の講座は、双方向型でメーンとなる実技を中心に展開した。講師は、「全体進行・総括」「金属加工作業の演示」「作業のポイント解説、参加者への指導」と役割を分担して指導。受講者は、事前に視聴した動画で得た知識や講師の助言を踏まえながら、作業を進めた。

　今後は、６月下旬に３回目、各受講者の勤務校の期末テスト終了後（６月下旬～７月上旬ころ）に４回の講座を実施し、テスト問題の作成や実習の実施、評価方法などについて交流する予定。

　４回目の講座終了後に、講座内容をまとめた資料を各受講者に配布し、完結する。

　センターは、「受講者にとっては、自校で受講でき時間と経費の軽減につながるとともに、細かなところまで個々に指導を受けられるなど、参加しやすく有用な実習となったのでは」と分析する。

　一方、受講者の施設設備の状況把握、実習材料の手配、講師が複数人いる方が望ましいことなどの課題を示した。

　「オンライン研修の実践事例も多様な形で積み重ねられており、今後集合研修がかなわない場合、有効な次善の形としてオンライン研修を推進していきたい」としている。

(関係団体 2021-06-11付)