4種校長会長インタビュー 第2回 主体性・指導性もち課題解決 叡智を結集し新時代へ 北海道中学校長会会長
(関係団体 2021-06-25付)

校長会長インタビュー三浦利章新会長
道中学校長会・三浦利章会長

―道中学校長会会長としての抱負

 創立以来「中学校長の職能向上と北海道中学校教育の振興」を目的として、時代時代の課題に向き合い、74年に及ぶ歴史を刻んできた本会の会長の任を仰せつかることは、大変光栄なことであると同時に、職責の重さに身の引き締まる思い。

 微力ではあるが、副会長をはじめ、運営委員・理事・幹事の校長、そして何よりも全道20地区の校長会566人の会員の支援と協力をいただきながら、北海道中学校長会の歴史と伝統をしっかりとつなぎ、諸課題に対し全力で取り組んでいきたい。

 私たち校長は、子どもたちに生きる力を育む教育を推進し、豊かな人間性と未来に生きる確かな学びの力を育てる中学校教育の実現を目指さなければならない。「全日中新教育ビジョン~学校からの教育改革」の内容も十分踏まえ、校長としての主体性と指導性をもち、会員相互の連携のもと本道の中学校教育の充実に向けて、様々な課題の解決に組織的に取り組んでいきたい。

 令和2年度の成果をしっかり受け継ぎ、さらに、3年度のキャッチフレーズ「叡智を結集し新時代へ向かう道中」を目指し、3年度の諸活動の一層の充実に努めていきたい。

―抱える課題と対策

 子どもたちに与える最大の教育条件は教員。今以上に数多く、希望に満ちた教員に教壇に立ってもらうためには、やりがいとともに魅力ある教育活動を社会に発信しなければならない。

 小学校は、段階的ではあるが学級の定数が35人となった。中学校も早く35人学級になるよう改善しなければならない。学級定数を少なくすることは、子どもと向き合う時間が増えるだけでなく、これからの時代、教室の密状態、1人1台端末の保管場所など、教育環境にもかかわってくる。

 学校の働き方改革を進めるために、教員の意識改革も大切だが、同時に条件整備がなければ進んでいかない。学校は、学習機会と学力を保障するという役割だけでなく、人間としての発達・成長を保障する役割や人と安全・安心につながることができる居場所としての福祉的な役割も担う。この役割の重要性は今後も変わることはないが、これを今の教職員だけで担うのは難しいと思う。

 専門スタッフの拡充が必要である。また、部活動も大切な活動だが、そのために多くの時間がとられている。国から部活動改革のタイムスケジュールも示されているが、北海道の実情に合ったものにしなければならない。

 校長はいくつもの耳、いくつもの目をもつ必要があると思う。働き方改革をさらに進めるためには、教職員と誠実に向き合い、教職員が安心して子どもとふれ合える時間を確保する必要がある。教育現場から、教職が魅力ある仕事であることの発信につながるよう取り組んでいきたい。

―3年度の重点

 3年度の運営方針および活動の重点は、全日中新教育ビジョンの内容を踏まえ、校長としての主体性と指導性をもち、会員相互の連携のもと本道の中学校教育を推進し、道民の負託に応えることである。

 特に、①新型コロナウイルス感染拡大防止への取組②学習指導要領の着実な実施③学校における働き方改革への取組④GIGAスクール構想の実現⑤命を大切にする教育―に力点を置き、北海道の中学校長会が一体となって進め、未来につながる北海道教育の実践を積み上げたい。

 その他、活動の柱となる研究活動では、9月に第63回北海道中学校長会研究大会宗谷・稚内大会をオンラインで開催する。オンライン開催ではあるが、校長の資質向上、学校経営に資する内容が予定されている。実りある研究大会になるよう、主管の宗谷校長会には精力的に準備を進めていただいている。

 さらに、4年10月には第73回全日本中学校長会研究協議会北海道(札幌)大会を開催する。実行委員会を立ち上げ、準備が着々と行われている。全国大会は、平成26年の苫小牧大会以来8年ぶりとなるので、道中学校長会の総力を挙げて成功を目指したい。

―新型コロナウイルス感染症への対応

 本来であれば、昨年、世界中から多くの外国人を迎え盛大にオリンピック・パラリンピックが開催されていた。ことし、札幌でもマラソン、競歩、サッカーの開催が予定されているので、ワクチン接種による一日も早い収束を願うばかりである。

 ことしも各学校では、学校行事の見直しや縮小などの影響が出ている。徹底した新しい学校生活様式に基づく教育活動を進めているが、新種の強力なコロナによるクラスター発生もみられる。

 私たち校長が考えるべきことは、子どもたちや教職員の生命と人権を守り、安全で安心な生活を過ごしていくための取組を、それぞれの限られた条件の中でいかに進めていくかである。

 そして、子どもたちの学びを止めないこと、一人ひとりの学びを保障することが重要。GIGAスクール構想によって、1人1台端末の時代に入った。双方向のオンライン授業の構築に向けて組織的に進める必要がある感じている。

 また、コロナ対応に関する予算について、学びを止めないための学校教育の充実に、優先的に充てていただけるような働きかけも必要と考えている。

 我々に課せられている教育課題はまだまだ数多い。北海道中学校教育の振興のために、これまで積み重ねてきた成果を糧に、保護者・地域の理解・協力を得ながら、教育関係機関・団体と協働し、「チーム北海道」の一員として着実に一歩一歩前進したい。引き続き会員各位・関係各位の理解と支援をお願いする。

 みうら・としあき

 昭和62年道教育大札幌校卒。恵庭市立恵明中が振り出し。平成14年釧路教育局指導主事。16年後志教育局指導主事、19年石狩教育局指導主事、20年日高教育局義務教育指導班主査、23年石狩教育局義務教育指導班主査。26年北広島市立広葉中校長、28年江別市立大麻中校長、31年千歳市立千歳中校長。

 昭和36年8月24日生まれ、59歳。苫小牧市出身。

(関係団体 2021-06-25付)

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