文科省　生徒指導提要改訂　“積極的指導”充実へ　意見聴取し年度内に

（国 2021-07-08付）

　文部科学省の設置する生徒指導提要の改訂に関する協力者会議の初会合が７日、オンラインで開催された。積極的な生徒指導の充実、新学習指導要領の反映など、基本的方向性を整理。年度内に提要を改訂する。

　学校・教職員向けの生徒指導の基本書である現行の生徒指導提要は、平成２２年作成。１０年以上が経過し、いじめの重大事態、暴力行為、不登校児童生徒数や児童生徒の自殺者数の増加など昨今の状況を踏まえ、改訂を行う。

　７日の協力者会議では、生徒指導提要改訂の基本的な考え方を整理。中央教育審議会答申「令和の日本型学校教育の構築を目指して」に基づいて内容を整理し、現行の指導提要と同様、学校段階ごとに内容を分ける方針を示した。

　課題解決的な指導のみならず、成長を促す指導など積極的な生徒指導の充実を図るほか、新学習指導要領やチーム学校、学校における働き方改革に関する考え方を反映。ネット上の資料を随時更新できるよう、デジタルテキストを作成するとした。

　中学・高校関係者からのヒアリングでは、外部機関やスクールカウンセラーとの連携、インターネット依存やＳＮＳ関連のトラブル、性的マイノリティーに関して追記するよう提案。教員の認知度が低いことから、電子版による配信など、個々の教員が読みやすい工夫を講じるよう求めた。

　今後、小学校関係者のヒアリングを実施した上で論点を整理。執筆者を選定・分担し、年度内に提要を改訂する。

(国 2021-07-08付)