札幌市　第１回アイヌ施策推進委　小中高生に働きかけを　体験プログラムなど推進へ

（札幌市 2021-09-10付）

　札幌市市民文化局は、８月６～１６日の期間に本年度第１回市アイヌ施策推進委員会を書面開催した。令和２年度アイヌ施策年次報告書について審議。委員からは、小中高生へのプログラム参加の働きかけの強化を望む意見や、札幌市アイヌ文化交流センターをより一層ＰＲするよう求める声などが挙がった。

　市は、アイヌ施策の基本的な考え方や具体的な取組の内容などを整理し、総合的・計画的にアイヌ施策を推進していくため、平成２２年９月にアイヌ施策推進計画を策定。理念に掲げる「アイヌ民族の誇りが尊重されるまちの実現」に向け様々な事業に取り組んできた。

　本年度から第２次推進計画を開始。施策目標の１つ「アイヌ民族に関する理解の促進」における「アイヌ民族の歴史の尊重と教育施策の充実」に向けて、伝統楽器の演奏やアイヌ文化を体験できる小中高生団体体験プログラムの提供、ウポポイ（民族共生象徴空間）と連携した学習を盛り込んでいる。

　８月に書面開催した本年度第１回推進委員会では、２年度アイヌ施策年次報告書について審議。報告書では、前計画で示した①市民理解の促進②伝統文化の保存・継承・振興③生活関連施策の推進―の施策目標達成に向けた取組などを集約した。

　委員からは「小中高生へのプログラムについて、年々充実していると思うが、参加校はほぼ小学校となっている。高校生にまで必要とするのであれば、働きかけの強化が必要」「市アイヌ文化交流センターが生物多様性さっぽろネットワークとして位置付けられていることをもっとＰＲしてほしい」「アイヌ民族の児童生徒への学習支援の成果について参加人数や学習内容をどのように評価しているのか」などの質問・意見・要望が挙がった。

　市は、進学率の向上を図ることを目的に実施しているアイヌ民族の児童生徒への学習支援について、「今後も引き続き、より多くの人に参加してもらえるようホームページに実施内容を掲載し、周知を図っていく」と回答した。

(札幌市 2021-09-10付)