札幌市　医療的ケア児支援検討会　保育モデル事業見直しを　看護職員加配要件の緩和も

（札幌市 2021-09-13付）

　札幌市保健福祉局は９日、市医療的ケア児支援検討会の本年度第１回会議をオンライン開催した。医療関係者など合わせて委員１８人が今後の市内における乳幼児や児童生徒に対する医療的ケアの充実や、その家族に対する支援策などについて協議した。医療的ケア児への支援に向けた、看護職員加配・加算要件の緩和や、市医療的ケア児保育モデル事業などについて意見を交わした。

　医療的ケア児は、日常生活や社会生活を営むため、恒常的に医療的ケア（人工呼吸器による呼吸管理、かっ痰吸引やその他の医療行為）を受けることが不可欠な児童（１８歳以上の高校生を含む）のことを指す。

　市は、医療的ケア児とその家族を地域で支えられるようにするため、関係者が一堂に会し、地域の課題や対応策について継続的に意見交換や情報共有を図ることを目的に、医療的ケア児支援検討会を設置。年間で３回程度の協議を実施している。

　医療的ケア児に対する支援の充実では、現在の看護職員加配加算の要件を改訂。「８点以上の医療的ケア児５人以上」から、「その事業所の医療的ケア児の合計点数４０点以上」とする方針を示した。

　また、日常的な医療的ケアを必要とし、集団保育が可能な未就学児を対象とした市医療的ケア児保育モデル事業について協議を行った。

　委員からは「現在のモデル事業は白石区のみで実施されている。保育所の利用者は自宅や職場近くを選ぶことが多い。区にない場合は、保育のモデル事業のみ遅れてしまうことになる。事業の見直しを検討してほしい」などの意見が挙がった。

　このほか、市立豊成養護学校、市立北翔養護学校の通学時の保護者付添いに関する学則の見直しについて意見を交わした。

(札幌市 2021-09-13付)