札幌市内小学校　コロナ禍の運動会　子と保護者　最良の形に　配信や「運動参観」など工夫

（札幌市 2021-09-10付）

附属札幌小では、児童の様子を撮影して保護者に発信した

　札幌市内の小学校では、約１６０校が９月と１０月に運動会の実施を予定している。多くの学校は平日開催や学年・実施日の分散、競技内容を厳選するなどして準備を進めてきた。一方で、８月２７日の緊急事態宣言発令を受けて、保護者の参観などを取りやめた学校もある。新型コロナウイルス感染症の終息が見通せず、宣言延長も検討される中、児童や保護者にとってできる限り最良な運動会の開催を目指す取組を紹介する。

◆オンラインで配信

　道教育大学附属札幌小学校（髙久元校長）は４日、運動会を開催した。昨年は、来場による参観を各家庭２人までとしたが、ことしは緊急事態宣言下にあることなどを考慮し、参観を取り止め、オンライン配信に切り替えた。

　動画配信は昨年も実施したが、カメラ性能やＷｉ―Ｆｉ環境の問題で、映像が途切れることもあった。ことしは、こうした課題を踏まえ、タブレット端末２台と専用カメラ２台を使用したほか、Ｗｉ―Ｆｉ環境を整備し開催した。

　当日は、午前・午後の２部制で実施した。玉入れやリレーなどに全力で取り組む児童の様子をＹｏｕＴｕｂｅの限定公開で配信。場面に応じて、４つのカメラ映像を担当教諭が切り替えたり、競技の様子を音声で中継したりすることで、児童の様子が少しでも画面越しに伝わるよう工夫した。

　また、動画は、期間限定で保護者が見直せるように設定。リアルタイムで見ることができなかった家庭も、わが子の活躍を視聴できるようにしている。

　堀口基一副校長はオンライン配信について、「病院や施設にいる親族などにも活躍の姿を提供できる」と利点を挙げる。「新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、今後もオンラインの配信などは必要になってくる。積極的に活用していきたい」との姿勢を示している。

◆参観機会保護者に

　手稲中央小学校（松村隆志校長）では、保護者の参観を念頭に置いた開催を模索している。

　当初、今月２８～３０日の３日間で、１・２年生、３・４年生、５・６年生の３グループに分割し、運動参観として開催を計画。競技内容の厳選や各家庭の来場者を２人程度と上限を設けるなど、保護者の要望を受け入れる方向で調整してきた。

　一方で、道の鈴木直道知事は８日、国に対して、感染状況などを踏まえた緊急事態宣言の期限延長を要請。これらの状況から、同校は、開催日を、予備日としていた１０月５～７日に変更することも視野に調整。保護者が子どもの活躍や成長を少しでも間近で参観できる環境整備を目指している。

　寺田誠治教頭は「競技も、子ども同士が接触しないよう配慮している。学校としても、できる限り子どもの活躍を直接見てほしい」と話している。

(札幌市 2021-09-10付)