札幌市北園小　教育実践発表会　児童自ら学ぶ授業展開　５年算数　分数の大小を比較

（札幌市 2021-09-13付）

髙見教論は通分の必要性を気付かせる指導に工夫を擬らした

　札幌市立北園小学校（加藤理恵校長）は８日、同校で第１２次「北園の教育」教育実践発表会を開いた。研究主題「自ら学び続ける子の育成～広げ、深め、高める関わりを生む授業の創造」のもと、算数科８授業を公開。うち、５年２組の「分数の大きさとたし算、ひき算」は髙見梨花教諭が指導し、図や数直線、式に表すことを通して、分数の異分母、異分子の大小の比べ方について考える授業を展開した。

　研究主題は「自ら学び続ける子の育成～広げ、深め、高める関わりを生む授業の創造」（５ヵ年研究最終年次）。問題提示を工夫したり、交流の必要感をもつことができるような場を設定したりするなど、子どもたちが動き出す“しかけ”を授業に組み込むことで“自ら学び続ける子”に近付けるよう、実践してきた。

　特に、前年度は導入場面重点期間を設け、各ブロックで授業を見合い、その成果や課題について討議。導入場面において、問題場面をしっかりと把握し、全員が解決の見通しをもって自力解決に臨むことができる授業となるよう研究を進めた。

　研究の視点には、①広げ、深め、高めるかかわりを生む教材化②広げ、深め、高めるかかわりを生む教師の手立て―の２点を設定。

　①では、「教材化、授業展開の工夫」を重点に据え、子どもが心を動かしながら学習を進め、自ら教材にかかわる姿を目指した。

　②では、子ども同士をつなげる教師の手立てに重点を置き、授業内での交流を通して児童が“面白い”“考えてみたい”“試してみたい”という思いをもち、その価値を実感することを目標とした。

　８日の実践発表会では、全学年の算数科８授業を公開。うち、５年２組の「分数の大きさとたし算、ひき算」は髙見教諭が指導した。

　前時までに、児童たちは大きさの等しい分数の見つけ方や約分の意味について学習。本時では、図や数直線、式に表すことを通して、異分母、異分子の分数の大小の比べ方を考え、通分の意味を理解することをねらった。

　①にかかわって、導入で同分母や同分子の大きさを比較する活動を行い、児童たちに異分母、異分子の場合はどのように比較するとよいかという課題意識をもたせた。

　また、「３／５Ｌと２／３Ｌはどちらがどれだけ多いか」と問題文にＬ単位を付け、どれだけ大きいかを加えることで子どもの意欲を高め、分母をそろえることの必要性に気付かせた。

　視点②にかかわっては、児童が分母の１５という数字の意味について考え、説明できるようにするため、図や数直線と倍分の考えを結び付けながら交流できるよう板書を構成。また、異なる分数を提示して、いつでも１５ではなく、もとになる分数がいくつになるかを考えて分母をそろえることが必要であることに気付かせた。

　さらに、タブレット端末にノートの写真を撮り、交流させ、自分の考えを発信したり、友だちの意見にふれたりすることで、学びを一層深めさせた。

　授業後の分科会はオンラインで実施。自ら学び続ける子の育成を目指して意見を交わした。

(札幌市 2021-09-13付)