紋別市4年度市政執行方針 教育分野 “つながる学力”定着を 教育向上プロジェクト継続
(市町村 2022-03-08付)

紋別市長宮川良一
宮川市長

 【網走発】紋別市の宮川良一市長は、1日開会の市議会第1回定例会で4年度市政執行方針を説明した。教育分野では、児童生徒の学力向上に成果が現れてきていることから、教育向上プロジェクトなどこれまでの取組を継続していくとともに、1人1台端末を活用した取組を推進し「小学校から中学校、そして高校へと“つながる学力”の定着と向上を目指していく」と述べた。スクールカウンセラーの増員やスクールソーシャルワーカーの活動日数を増やし、不登校児童生徒を支援する。紋別高校への支援については、全校生徒に対しタブレット端末の整備を支援する。

 執行方針のうち教育分野の概要はつぎのとおり。

▼生涯にわたって“つながる教育”を地域で支える

 3年5月、2年ぶりに実施された全国学力・学習状況調査において、小学校国語で全道平均を超えて全国平均並み、算数でも全道平均並みとなり、本市としては、調査開始以来、最も全国平均との差が縮まる結果となった。

 各学校で実施している標準学力検査においても、小学校の「読むこと」の分野で全学年を通して高い調査結果となっている。

 これは、本市において早くから取組を進めてきた学校図書館司書の各学校への配置や学習サポーターによる手厚い学習支援、また、元年度から教委に配置している指導主事が中心となって進めている教育向上プロジェクトによる授業改善のための研修など、一つ一つの事業の成果であると感じており、その取組を花開かせた教職員の皆さんに感謝するとともに、何より日々の学習に取り組んでいる子どもたちの努力とそれを支える保護者の愛情に敬意を表する。

 「継続は力なり」。教育は正にその言葉を実感できる分野である。この成果を一過性のもので終わらせることのないよう、これまでの取組を継続していくとともに、1人1台端末を活用したGIGAスクールの推進と併せ、小学校から中学校、そして高校へと“つながる学力”の定着と向上を目指していく。

 市内小・中学校における児童生徒の不登校が近年、増加傾向にあることを大変危惧している。

 不登校の要因としては、学校内の問題に限らず、家庭環境や児童生徒本人の無気力など多岐にわたるものと聞いており、それぞれの要因に応じたケアが必要である。

 4年度はスクールカウンセラーを増員して2人体制にするとともに、スクールソーシャルワーカーについても活動日数を増やすなど、よりきめ細かな相談体制を整え、学校はもとより、関係機関等とのネットワークによる総合的な支援によって、課題解決に取り組んでいく。

 不登校となる児童生徒の中には、特別支援教育が必要なケースがあるとも言われている。

 不登校に限らず特別支援教育が必要な児童生徒は増加しており、多様化する障害の程度に応じた適切な支援のためには、教育一般はもとより特別支援教育に関する専門的な識見が必要。

 4年度は教委に特別支援教育コーディネーターを配置し、経験と知識に基づいた相談体制を充実するとともに、教職員の専門性の向上を図っていく。

 部活動の在り方について、児童生徒の減少による学校規模の変化や教職員の働き方改革などの背景がある中、各学校が担う役割、それを補完し支える地域の役割については、様々な意見もあることから、引き続き市議会の協力も受けながら議論を深め、何よりも子どもたちにとってより良い環境になるよう取り組んでいく。

 そのような中、4年度は学校と地域をつなぐ従来の学校支援地域本部事業を活発化させ、水産加工業者や酪農家を招いた授業、地域の自然について学ぶ地域学習・体験活動など、教育現場、各学校からの要望に対し地域人材の活用を図り、学校と地域の橋渡しを行うことで地域資力の育成および学習機会の支援を図っていく。

 紋別高校支援については、AIを活用したキャリア教育の充実やICTによる授業改善などを通して持続可能な社会の創り手の育成を目指す高校の取組を後押しし、魅力ある高校づくりに寄与するため、全生徒に対し、1人1台タブレット端末の整備を支援する。

 4年度は、野球部への入部を希望し市外から入学する生徒が多いと聞いている。市として招いている外部指導者等による指導体制充実の効果と考えており、さらなる成果を期待するとともに、整備した学生寮によって生徒の日常生活面もしっかり支えていく。

 生涯学習については、生涯にわたり学びを繰り返していくリカレント教育の推進を図るため、ビジネスやITスキルから英会話、教養など、様々なコンテンツをオンラインで視聴できるサービスを導入することで、年齢を問わず、いつでも、どこでも学ぶことのできる環境を整え、市民の学びへの意欲とスキルアップを応援していく。

 3年10月からスタートしている電子図書館について、4年度は特に、児童向けの絵本や育児、幼児教育など、子育て世代向けの電子書籍を充実させていくとともに、市立図書館でタブレット端末の貸出を行い、電子図書館での気軽な読書活動を通じて、子育て世代を応援していく。

(市町村 2022-03-08付)

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