美幌町4年度教育行政執行方針 小1で30以下学級 小中一貫教育導入を検討
(市町村 2022-03-08付)

美幌町教委矢萩浩教育長
矢萩教育長

 【網走発】美幌町教委の矢萩浩教育長は、2日開会の第3回町議会定例会で4年度教育行政執行方針を説明した。小学校1年生を対象に30人以下学級を実践するため、町費で臨時教員を配置。「児童一人ひとりの理解度や興味・関心を踏まえた、きめ細かな学習指導体制を整備していく」とした。また、教育環境の向上と持続的な確保を目指した小中一貫教育の導入を検討していく考えを示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【幼児、学校教育の充実】

▼学校教育の推進

▽確かな学力の向上

 確実な学力向上のため、チーム・ティーチングや習熟度別指導のほか、道教委のチャレンジテストやNRT(全国標準学力検査)を活用し、基礎的・基本的な知識や学習内容が身に付くよう取組を進めていく。

 主に算数科と国語科においては低・中学年を中心にきめ細かな指導のため、教育支援員を継続配置し確実な基礎学力の定着に向けた取組を進めていく。

 3年度、包括的連携協定を締結した北見工業大学の協力による学習サポート事業を小・中学校の長期休業中を利用し、継続実施する。

 ICT教育推進のため、タブレット端末の家庭への持ち帰りや機器の整備・充実を図る。教職員向けの研修を通して知識と指導能力の向上を図り、保護者の理解・協力が深まるよう情報発信に努めていく。

 小学校の35人以下学級については、継続して国や道の少人数学級事業の動向を見据えながら、また、新たに小学校1年生を対象に30人以下学級を実践して町費による臨時教員を配置し、児童一人ひとりの理解度や興味・関心を踏まえた、きめ細かな学習指導体制を整備していく。

 4年度も小学校3校の連携によって、外国語専科教員による巡回指導の継続・充実を図るとともに、3年度で全小学校に設置完了したイングリッシュルームの活用を図り、一層の語学教育の充実に努めていく。

 併せて、2人の語学指導助手(ALT)のサポート体制によって、外国語科指導の充実に努めていく。

 近年の教育内容や学習活動の質的・量的な充実に対する必要性から、美幌町の学校教育においても教育環境の向上と持続的な確保を目指した小中一貫教育の導入を検討していく。

 少子化による児童生徒数の減少に対応した町立学校の最適化に向けた検討を進めていく。

▽授業改善の充実

 学習規律については、小中学校の学習規律を集約し策定した町学習規律スタンダードをもとに、各校とも教育推進の重点事項として作成し、児童生徒の姿として確かな成果が現われている。

 引き続き確かな学力の基盤となる学習規律のさらなる定着を図るため、校内一丸となった、より具体的な取組を進めていく。

 オホーツク管内全体の学校が授業改善のため主体的に取り組んでいる「オールオホーツクで学力向上を!ロードマップ」の実践を生かし、GIGAスクール構想によるICT機器を活用しながら、併せて、小中学校における教員の相互交流や学校種間の連携を強化していく。

 4年度においても、授業改善のより一層の充実のため、特設授業の公開と研究協議を柱とした公開研究会の実施を積極的に進めていく。

▽健やかな身体の育成

 子どもたちの健康の保持・増進を図るため、定期的な健康診断を実施して感染症等の予防に努めるほか、授業や家庭でのタブレット端末の使用のルールづくりによって、視力低下等を防ぐ取組を家庭と協力して進めていく。

 ICT教育の推進によって情報端末機器に触れる場面が多くなっているため、情報モラル教育の一環として、適切な情報端末機器の利用とともに、生活リズムの自己管理についても継続的な指導や取組を進めていく。

▽教育相談体制の充実

 児童生徒の心のケアや、教職員・保護者の問題解決に向けた連携を強化するため、3年度からスクールカウンセラーを小学校にも配置しており、継続する中で校内の教育相談体制の充実と早期対応に努めていく。

▽特別支援教育の充実

 特別な教育的支援を必要とする子どもの教育については、各学校に特別支援教育支援員を配置しているが、学級編制に合わせて4年度2人を増員し、25人を配置する。

▽安全・安心な教育環境の充実

 3年度に全小・中学校で取り組んだ1日防災学校は、引き続き関係機関の協力によって防災の要素を取り入れた授業を継続して行うよう取り組んでいく。

 引き続き児童生徒と教職員の新型コロナウイルス感染症予防対策の徹底とともに、国が進める業務支援員を継続配置しながら、施設の消毒・換気などを行い、持続的に児童生徒が安心して教育を受けられる環境の整備に努めていく。

▽地域と連携した学校づくりの推進

 4年度においても、学校運営協議会制度の確かな推進と「3つのきょういく」応援団の協力、また、3年度設置した各学校運営協議会の情報共有や資質向上を目的とする学校運営協議会連携会の運用によって、地域の子どもは地域で育てる仕組みを推進する。このほか、参観日・学校行事・学校だより等を通じて、学校の状況や子どもたちの様子を保護者や地域に発信していく。

▽高等教育の支援・充実

 美幌高校との連携・支援について、3年度実施した「地域みらい留学」制度は反響が大きく、入学者確保に有効であることから引き続き取り組むものとし、農業科への入学機会に支障を来すことのないよう寄宿舎運営への継続支援のほか、高校のGIGAスクール構想における1人1台端末整備のためタブレット端末の貸与、教育支援事業におけるポスター・パンフレット作製、学習環境整備、商品開発等の支援を進めていく。

(市町村 2022-03-08付)

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