体制強化へ研修　ピアサポートも

（札幌市 2022-03-28付）

　ヤングケアラーの支援について質疑が行われた。

　市は昨年１１月から１２月にかけてヤングケアラーに関する実態調査を実施。調査結果によると、お世話の悩みを誰かに相談した経験があるヤングケアラーは、中学生が２７・１％、高校生が３２・４％となっており、国や道との調査結果と比べ、札幌市では中高生共に相談経験のある子どもの割合が高くなっている。

　一方で、ヤングケアラーの多くがお世話の現状を知っている大人がいないと考えていることや誰かに相談するほどの悩みではないと考え相談しない中高生もいることも分かった。

　野島聡子ども育成部長は「潜在化しやすいヤングケアラーを周囲の大人が発見し、必要に支援につなげていくことの重要性をあらためて認識した」と答弁。来年度予算に新規計上したヤングケアラー支援推進費において、市の関係職員や医療、介護、福祉の分野の関係機関・団体の専門職員を対象にヤングケアラーの早期発見・把握等の支援体制の強化を図ることを目的に研修を実施する考えを示した。

　また、ヤングケアラーが気軽に悩みや経験を共有することができるようなピアサポートによる相談支援の実施も予定していることを報告。「これら支援策の実施時期や実施方法について現在検討を進めており、できるだけ早期に実施したい」と述べた。

　その上で「ヤングケアラーの支援に当たって、保健福祉局・子ども未来局・教育委員会等の関係部局が連携した全庁的な取組が必要であることから国や北海道の動向や実態調査の結果を踏まえ、子どもの権利総合推進本部内に設置した作業ワーキンググループなどで引き続き検討を進めていきたい」との考えを示した。

　田島央一委員（民主市民連合）の質問に対する答弁。

(札幌市 2022-03-28付)