道教委　文化部活動推進成果報告書　指導・管理を分業化　紋別市の取組　会場設定等課題

（道・道教委 2022-03-28付）

　道教委は、３年度地域部活動推進事業（文化部活動）の成果報告書を公表した。地域指導者と教育委員会による指導・管理の分業体制を構築し、中学校３校での合同部活動に取り組んだ紋別市の取組を掲載。今後の課題として参加生徒の実態に合わせた会場設定や費用負担の在り方、指導者の後継者育成などの体制整備を挙げている。

　事業は文化庁の委託を受けて休日の部活動の段階的な地域移行や合同部活動の推進に関する実践研究に取り組み、研究成果を普及して休日の地域部活動や合理的・効率的な部活動の全国展開を図るもの。

　事業の再委託先である紋別市では、教育委員会が運営主体となって文化団体との調整等を担う部活動サポーター２人を配置。紋別中学校、潮見中学校、渚滑中学校の生徒を対象に、地域の指導者が茶道・書道・琴・ダンスを指導した。

　地域指導者による指導と教育委員会による管理の分業体制を構築し、文化系の合同部活動の機会を提供。午後６時の完全下校に間に合うよう部活動サポーターが会場校へと送迎するなど工夫して対処した。

　私費負担を避けるよう活動費用は無料としたが、茶道の菓子代は保護者負担となったことから費用負担の設定が課題となったことを報告。参加生徒の実態に合わせた会場設定が必要としている。

　国が目指す５年度からの部活動の地域移行に向けては、地域の実情を踏まえた最善の方策が必要と指摘。教職員の勤務実態など部活動の地域移行の必要性を学校・地域が共有・連携し、運営上の工夫をする必要性を示した。また文化系講師は退職者も多いことから後継者の育成も含めた体制整備を課題に挙げている。

(道・道教委 2022-03-28付)