上士幌町教委　体力向上プロジェクト　継続的な運動機会創出　運動習慣好転など大きな成果

（市町村 2022-04-14付）

昨年５月から実施しているかみしほろのびのびキッズ

　【帯広発】上士幌町教委は３年度から、帯広畜産大学人間科学研究部門の村田浩一郎准教授の協力のもと「子どもの体力向上プロジェクト」に取り組んでいる。継続的な運動機会を創出し、体力向上を目指す「かみしほろのびのびキッズ」を週１回開催した結果、体力測定で全項目の数値が増加。運動習慣も好転するなど大きな成果が見られた。

　町教委は、児童生徒による体力テストの結果が例年全国平均値より下回っていることを課題とし、同プロジェクトを企画した。

　より効果的な事業推進を目指し、体操教室を中心とした総合型地域コミュニティ「ちくだいＫＩＰ」で理事を務める村田准教授に協力を依頼。神経系が著しく発達する小学校１～３年生を対象に、昨年５月から半年間、継続的な運動の機会を創出し体力向上を目指す「かみしほろのびのびキッズ」を週１回開催した。

　対象となる児童１８人には事業前後に体力測定等を行い、身体面や精神面への効果を調査した。

　村田准教授は、事前測定から特に低値を示した５０㍍走が測定値全体に影響していると考察。走りのフォーム改善、体幹や脚力を強化する体操など走運動に特化したメニューを考案した。

　事業後の体力測定では、全項目で数値が増加。上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、立ち幅跳びにおいては全国平均値をも上回った。

　また、保護者アンケートでは「自宅で運動する姿が見られた」「運動に関する話題が増えた」など運動習慣の変化が確認された。

　村田准教授は「子どもたちが夢中になるようなプログラムが大切。能動的に挑戦しやすい環境づくりを意識した」と工夫点を挙げる。

　町教委は今後、５年間をめどに活動を継続しデータを蓄積する。本年度は５月から１０ヵ月間、村田准教授による活動に加え町内９団体の少年団と連携した様々なスポーツ体験を予定。また、体育科授業における教員の指導力向上に向けて、村田准教授による年間８回の研修を検討している。

(市町村 2022-04-14付)