夕張市4年度教育行政執行方針 小中一貫教育を検討 義務教育学校設置を視野に(市町村 2022-04-14付)
夕張市教委・小林広明教育長
【岩見沢発】夕張市教委の小林広明教育長は4年度教育行政執行方針で、将来的な義務教育学校の設置を視野に、小中一貫教育の在り方の検討を始める意向を示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育の推進】
▼確かな学力を身に付ける教育の推進
▽学ぶ意欲の向上
基礎学力の定着と向上のため、少人数習熟度別授業、チーム・ティーチングなど個に応じた指導をはじめとして、ICTを活用した授業の展開、学び直しの時間の工夫、家庭学習の充実等に取り組んでいく。児童生徒に1人1台のタブレット端末が整備され、授業等における学習ツールとしての有効活用や家庭学習での活用、さらにはデジタル教科書の活用検証事業に継続して参加するなど、ICTの活用促進を図り、子どもたちの思考力、判断力、表現力、情報活用能力の育成を通し、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な実現を目指す。オンラインによる授業配信にも取り組み、学びを止めることなく、児童生徒の学ぶ意欲の向上を促進する。
▽小・中協働の強化
小中連携学力向上プロジェクト委員会の活動の充実を通して、合同研修や乗り入れ授業、小学6年生児童の中学校校舎での学習活動の実施など小・中の交流事業を実践する。9年間を通じた学力の経年変化の分析と改善策の検討を行うなど、小・中協働を加速化させ、義務教育9年間を見通した系統的、効果的な学力向上策を追究していく。
将来的な義務教育学校設置を視野に、小中一貫教育の在り方の検討を始める。
▽教師の授業力の向上
オンライン研修会等への積極受講を促すとともに、夕張高校が開催する研修会への参加や空知教育局指導主事等外部講師を招いた研修活動に取り組み、教師の授業力の向上に努めていく。
個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実し、主体的・対話的で深い学びの実現や学習ツールとしてのICT機器を有効活用した授業改善のためのスキルアップを図る。
▼豊かな人間性を身に付ける教育の推進
いじめや不登校を未然に防ぐとともに、規範意識を高め、違いを認め合う各種教育活動の充実、Q―Uテストを生かした望ましい学級集団づくり、ピア・サポートを取り入れた教育活動等の実践による児童生徒同士の絆づくりに取り組む。他者への思いやりの気持ちや多様性の尊重、豊かな感性、社会的協調性、自己肯定感などを育み、子どもたちに豊かな人間性を身に付けさせる。
▼健やかな体を育む教育の推進
課題である持久力アップをはじめ、体育の授業を中心に学校全体で取り組む体力・運動能力の向上策を推進していくとともに、自己の健康・安全への実践意欲の向上を目指し、新型コロナウイルス感染症予防のための環境整備と感染防止への指導等を徹底して行っていく。
▼小中高魅力化の推進
小中高一貫のマンツーマンオンライン英会話授業を充実発展させることで、グローバル人材の育成と特色ある英語教育の実践によって、夕張高卒業後の進路選択の拡充を目指すとともに、夕張の子どもたちの自信と誇りを育む。
キャリア・パスポートを活用した指導の充実を図り、学年間、校種間で引き継いでいくとともに、12年間を通したカリキュラムの作成につなげていく。
▼特別支援教育の充実
一人ひとりの教育ニーズに応じた指導や支援が必要なことや、地域において長期的な視点から切れ目のない支援を行わなければならないことを踏まえ、対象となる幼児児童生徒等に対して、ゆうばりっこ未来ファイルの作成と活用を通して特別支援教育推進協議会など関係機関との連携を図り、充実した支援を行っていく。
▼信頼される学校づくりと家庭、地域との連携
学校を核に、学校運営協議会のさらなる活動充実を図るとともに、地域学校協働本部事業との連携や地域の教育力を生かした体験型、課題探究型の学習活動等にも継続して取り組んでいく。
▼教職員の働きやすい環境の構築
校務支援システムを導入し、教職員の勤務時間の管理を行うことで時間外勤務の縮減を図るなど、働き方改革の取組を前進させ、教職員の職務環境の向上を図る。
(市町村 2022-04-14付)
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