2定札幌市議会代表質問(5月30~31日) 移動式エアコン 7月上旬設置へ 学校施設熱中症対策
(札幌市 2022-06-02付)

 檜田教育長は、学校施設における熱中症対策について「現在、移動式エアコンの設置を希望する教室などの調査を行っており、7月上旬に設置できるよう準備を進めている」と回答した。

 文部科学省の調査によると、道内の小・中学校は、普通教室の保有室数1万7429室に対し、設置室数は754室で設置率4・3%。特別支援教室は保有室数1万6915室に対して設置室数851室、設置率5・0%と、非常に低い設置率となっている。

 市においては、移動式エアコンの設置などを進めているが、昨年9月1日時点で、普通教室全体の2割程度の導入にとどまっている。

 檜田教育長は「移動式エアコンや扇風機、遮熱カーテンの設置や、小まめな水分補給など、子どもの体調に留意した対策を講じてきた」と、これまでの対策について説明。

 その上で、7月上旬に移動式エアコンを設置するための準備を進めているとした。

 檜田教育長は「学校施設の暑さ対策は、既存施設における電気容量や設置場所などの課題も考慮しながら強化していく必要がある。これまでの検証結果を踏まえて検討を進めていく」と述べた。

 丸山議員の質問に対する答弁。

◆国の動き注視し 情報収集努める こどもホスピス

 こどもホスピスに関する質疑が行われた。

 こどもホスピスは、病気のある子どもやその家族が、遊びや学び、交流などができ、安心して過ごすことができる施設。

 昨年12月に閣議決定したこども家庭庁創設にかかる「子ども政策の新たな推進体制に関する基本方針」では、こどもホスピスの環境整備を進めていくことが盛り込まれた。

 また、今国会でのこども家庭庁の創設に向けた審議においても「小児がん患者が家族や友人と安心して過ごすことができる環境の整備について検討を進める」ことが、基本方針に示されている。

 町田隆敏副市長は「命を脅かす病気を抱える子どもたちや家族が集い、安らげる場所。大切なかけがえのない時間を過ごせるよう、国の動きを注視しながら、情報収集に努めていく」と述べた。

 丸山秀樹議員(公明党)の質問に対する答弁。

◆同一の通学区域で 一体校舎など条件 義務教育学校の設置

 今後の義務教育学校設置に関する質疑が行われた。

 市教委は、2年度に「札幌市における義務教育学校の設置方針」を策定。通学区域が概ね小中同一校区で小中一体の校舎であることなどを条件として、義務教育学校の設置を進めていく方針としている。

 現在は、5年度に福移地区、7年度に定山渓地区、8年度に真駒内地区、9年度に厚別南・青葉地区での義務教育学校設置に向け、準備・検討を進めている。

 札幌市教委の檜田英樹教育長は「義務教育学校は、校舎も含めて一つの学校とすることで、日常的に幅広い異年齢による学び合いや関わりができ、学ぶ力や自己肯定感の醸成に効果をもたらす」との見解を示した。

 その上で「開校準備の段階から地域の声を学校づくりに生かしながら、市の小中一貫した教育のさらなる推進へとつながる義務教育学校の設置を進めていく」と述べた。

 丸山議員の質問に対する答弁。

◆新ビジネス創出へ 北大等と連携強化 理系人材確保 成長産業振興

 理系人材の確保に向けた成長分野の産業振興に関する質疑が行われた。

 市は、元年に「スタートアップ・シティ宣言」を行い、道内大学や経済団体などと「札幌・北海道スタートアップ・エコシステム推進協議会」を立ち上げた。

 今後、道内のものづくり企業の可能性として、医療や食品製造のほか、航空宇宙関連、自動運転のGPS機能関連、災害や農業のIoTに関することなど、札幌・道の特性と強みを生かした先端技術の産業振興の推進に向け、理系人材の確保が求められる。

 石川副市長は「スタートアップ・エコシステム推進拠点都市の取組によって、前年度までに26社のスタートアップが、82億円の資金調達に成功している」と説明した。

 その上で「今後も国内外から企業・人材・投資を呼び込み、新たなビジネスが絶えず創出される好循環の構築を目指して、専門的な研究や人材育成を行う北海道大学などとの連携を強化しながら、取組を推進していく」と今後の方針を示した。

 丸山議員の質問に対する答弁。 

◆切れ目ない支援へ 効果的な組織検討 子育て家庭の支援体制強化

 子育て家庭支援の体制強化に関する質疑が行われた。

 市は各区保健センターを「子育て世代包括支援センター」と位置づけ、保健師等の支援に加え、母子保健相談員の配置などを通して、妊娠期からの切れ目のない支援の充実を図っている。

 町田副市長は、子育て支援の体制強化について「子育て家庭に対する支援をさらに充実させていくために、妊娠期から出産、子育ての各ライフステージにわたる切れ目のない支援を推進してくことが必要」との認識を示した。

 その上で「母子保健施策と支援施策の連携によって、幅広い施策を展開してくことが重要。引き続き庁内の連携に努めるとともに、効果的な組織の在り方を検討していく」と述べた。

 丸山議員の質問に対する答弁。

(札幌市 2022-06-02付)

その他の記事( 札幌市)

市内薬局で無料配布 札幌市 抗原検査キット

 札幌市は、新型コロナウイルス感染症による医療体制逼迫への対応として、市内薬局における抗原検査キットの無料配布事業を1日から開始した。市内在住者または、長期滞在者で発熱等の症状があることが配...

(2022-06-02)  全て読む

切れ目ない支援へ 効果的な組織検討 子育て家庭の支援体制強化

 子育て家庭支援の体制強化に関する質疑が行われた。  市は各区保健センターを「子育て世代包括支援センター」と位置づけ、保健師等の支援に加え、母子保健相談員の配置などを通して、妊娠期からの切...

(2022-06-02)  全て読む

新ビジネス創出へ 北大等と連携強化 理系人材確保 成長産業振興

 理系人材の確保に向けた成長分野の産業振興に関する質疑が行われた。  市は、元年に「スタートアップ・シティ宣言」を行い、道内大学や経済団体などと「札幌・北海道スタートアップ・エコシステム推...

(2022-06-02)  全て読む

同一の通学区域で 一体校舎など条件 義務教育学校の設置

 今後の義務教育学校設置に関する質疑が行われた。  市教委は、2年度に「札幌市における義務教育学校の設置方針」を策定。通学区域が概ね小中同一校区で小中一体の校舎であることなどを条件として、...

(2022-06-02)  全て読む

国の動き注視し 情報収集努める こどもホスピス

 こどもホスピスに関する質疑が行われた。  こどもホスピスは、病気のある子どもやその家族が、遊びや学び、交流などができ、安心して過ごすことができる施設。  昨年12月に閣議決定したこども...

(2022-06-02)  全て読む

教育旅行回復へ 体験Pなど周知 アフターコロナ見据えた観光戦略

 札幌市の石川敏也副市長は、コロナ禍によって激減した教育旅行の回復のため、新たに取りまとめた教育旅行向けSDGs体験プログラムや貸切バス助成制度のPRを進める考えを示した。  新型コロナウ...

(2022-06-02)  全て読む

児童虐待防止へ 各区相談体制強化 子育て環境整備拡充

 札幌市の町田隆敏副市長は、子育て環境の整備拡充について、「区を中心とする要保護児童対策地域協議会(要対協)のネットワーク機能を強化しながら、虐待防止に向けたきめ細かい支援体制の充実を図りた...

(2022-06-01)  全て読む

次期基本計画に 実践力育成盛る 安全教育の充実

 札幌市教委の檜田英樹教育長は、交通安全教育の充実を含めた安全教育について「次期教育振興基本計画に安全教育の充実を図る取組を位置づけるなど、危険を予測し回避する実践力を育む」と述べた。  ...

(2022-06-01)  全て読む

札幌幌北小 英語授業で学生受入 地域人材育成に協力 藤女子大 年20回授業補助

幌北小で藤女子大生が授業  札幌市立幌北小学校(佐藤圭一校長)は、藤女子大学(ハンス・ユーゲン・マルクス学長)の学生を受け入れた、外国語活動の授業を行っている。小学校英語を指導できる地域人材の育成を目指す実習の一環で...

(2022-06-01)  全て読む

早期発見役割担う 学校等で理解深化 ヤングケアラー

 町田副市長は、潜在化しやすいヤングケアラーについて「早期発見の重要な役割を担う学校、介護・福祉、医療機関などの関係職員の理解を深めたい」と述べた。  ことし4月に北海道ケアラー支援条例が...

(2022-06-01)  全て読む