札特協と札私幼　幼保小交流研修会　円滑な接続へ研鑚　提言発表や討議など通し

（札幌市 2022-11-10付）

　札幌市特別支援学級・通級指導教室設置学校長協会（札特協、佐藤正行会長）、札幌市私立幼稚園連合会（札私幼、藪淳一会長）は１０月下旬、オンラインで４年度幼保小交流事業研修会を開いた。市内の幼稚園・保育園、小学校関係者約３５０人が参加。提言発表や討議などを通して、幼児教育から小学校教育への支援の円滑な接続に向け研鑚を積んだ。

　事業は、幼稚園・認定こども園・保育園から小学校への緩やかな接続を行うために、実際の園・小学校での実態を知ってもらうと同時に、支援や指導の在り方を考え共有していく機会とすることなどを目的に実施しているもの。

　開会に当たり、札私幼の丸谷雄輔副会長があいさつ。特別支援学級の学びと幼児教育に共通点が多いことに触れ「小学校の特別支援学級の生活・学習などいろいろな角度から学ぶことによって、幼児期の子どもたちのことを考えるより良い機会にしたい」と話した。

　また、新型コロナウイルス感染症の影響でここ３年間、交流事業を開けなかったことを振り返った上で「本日は互いに共通点を見いだしながらより良い学びとなる研修にしたい」と呼びかけた。

　続いて、札幌市幼児教育センターの宮崎野歩指導主事が「幼児教育から小学校教育への支援の接続」について説明した。

　宮崎指導主事は、札幌市の幼保小連携・接続の取組として区ごとに設置している幼保小連携推進協議会を紹介。「コロナ禍を経て、本年度は公立私立の幼保小の職員が一堂に会して実施することができた」と述べ、成果を期待した。

　次いで、通常の学級に就学する、引き継ぎが必要な幼児の支援を小学校に適切につなぎ、就学児が安心して小学校生活を送れるようにすることを目的に推進協議会が行っている引き継ぎについて説明。

　コロナ禍でいかに質の高い幼保小の接続をするかについて「先生方が困っていることや気になっていることを伝えるだけでは、円滑な接続とは言えない。園生活における本人の困りに対し、園でどのような支援をしてきたか、それによってどこまで育っているのかを伝えて」と呼びかけた。

　このあと、新陵小学校の藤田愛教諭と平岡公園小学校の成澤啓治教諭が提言。藤田教諭は特別支援学級の生活の様子について、成澤教諭は特別支援学級の学習の様子についてそれぞれ紹介した。

(札幌市 2022-11-10付)