札幌市　児童虐待防止へ道内初　ヤマト運輸と連携協定　配送先の異変を児相に通告

（札幌市 2022-11-08付）

協定を取り交わした秋元市長（右）と阿蘇主管支店長

　札幌市子ども未来局と宅配大手ヤマト運輸㈱札幌主管支店は１日、児童虐待防止のための取組に関する連携協定を締結した。荷物の配送先で異変を感じた場合、児童相談所への通告に協力する。同社と児童虐待防止に関する協定を結ぶのは、道内の自治体で初めて。

　１１月の児童虐待防止推進月間に合わせて協定を結んだ。

　協定の内容は、同社の物流ネットワークを生かし、配送先で虐待を受けていると思われる子どもを発見した場合、児相への通告に協力するもの。このほか、虐待対応ダイヤル「１８９（いちはやく）」を啓発するステッカーを、集配トラック約９００台に貼付する。オレンジリボン地域協力員の認定研修も受講し、早期発見や対応に関する知識を身に付ける。まずは市内各営業所の所長が研修を受け、順次、社員も受講する予定。

　同社は全国の自治体と、災害時支援や高齢者の見守りなどの協定を結んでいる。児童虐待防止の取組に関する協定については、道内では札幌市が初めて。

　市役所で行った調印式で、秋元克広市長は「令和元年の２歳女児死亡事案のような事件を二度と起こさないよう、地域に根差した力を借りて、未然防止の取組にさらに力を入れていく」と述べた。

　阿蘇慎一札幌主管支店長は「子どもたちに対するアンテナが増えることで、安心で優しい地域づくりに貢献できれば」と話した。

(札幌市 2022-11-08付)