札幌市立高校間連携プログラム 地域課題解決策を提案 まなびまくり社成果発表会
(札幌市 2022-11-09付)

まなびまくり社成果発表会
チームテーマのコンセプトなどを発表した

 本年度市立高校学校間連携プログラム「まなびまくり社」の最終回となる成果発表会兼マッチング大会が9月下旬、市内Coみどり体育館で開かれた。チームごとにテーマのコンセプトや取り上げた課題、高校生やメンターの願いなどを紹介。発表した内容は、10月23日に大通公園で開かれたNO MAPSのイベントで披露した。

 まなびまくり社は、これからの地域や社会を仲間と共に考え一歩踏み出すことを目的にした探究型まなびプログラム。少子高齢化、商業の撤退、空き家の増加など、地域課題・社会課題をチャンスとして捉え、高校生ならではの新鮮な発想とSDGsの視点で課題を発掘し、解決策を探究、実践。まちに活力を与えることをねらいに取り組んでいる。

 9月下旬には、①空地/アート②環境/エネルギー③食/多世代交流④居場所/インクルーシブ⑤情報/縁/メディア⑥世界とつながる自分の世界―の6つのチームテーマごとに分かれ、テーマのコンセプトや取り上げた課題、高校生やメンターの願いなどを発表した。

 発表した内容は、10月23日に大通公園で開かれたNO MAPSのイベントで披露。高校生のアイデアをベースに大通公園に宿泊する防災キャンプやランニングステーションの設置、コミュニケーションを誘発するカフェの営業などを実証実験として実施した。

 各チームの取組内容の概要はつぎのとおり。

▼Team空地/アート

 「“空き地”を活用して子どもから高齢者まで様々な人が快適に使う“日常”を創り出す」をコンセプトに活動。空地を活用した多世代交流型のアートイベントを実施し、至る所で世代間交流が起こるまちを目指して取り組んだ。ワークショップでポストカードの作成、チームで制作したアート作品の展示などを行った。

▼Team環境/エネルギー

 「ごみを出さない工夫」「ごみから価値が生まれる革新的なアイデア」「エネルギーの在り方」など、大学や研究所を交えて「次世代の暮らし」に関する取組を推進。環境にやさしい行動をそっと後押しする「高校生が届けるグリーンナッジ」を進め、市民の環境保護に対するナッジを促し、環境への配慮が当たり前の社会を目指して取り組んだ。

▼Team食/多世代交流 団地、公園、カフェなど、様々な人が日常的に行き交う場所で、笑顔を増やす、つながり方をつくるアイデアややり方をデザイン。地元の野菜や果物等を活用して、様々なニーズに合わせた5種類のドーナッツを企業等と連携しながら製作、販売したほか、野菜やコーヒーの廃棄部分を活用した雑貨作りや、雑貨を作る過程のワークショップを行った。

▼Team居場所/インクルーシブ

 年齢、立場、障がいの有無に関係なく、誰もが「一人の人間」として尊重され自分らしくいられる「居場所づくり」を考案。「未来を想像できるフリースクール」として誰もが存在して良い居場所を創造したほか、様々な居場所づくりに挑戦した。

▼Team情報/縁/メディア

 誰に、どんな情報を、どうやって、伝えていくのか、魅力を伝えるだけでなく、人をいかにそこに誘導するのかなど「もの」や「こと」の情報を伝えながら「人」をつないでいく「街のメディア」について考える活動を推進。「寄り道さんぽ」として、町を歩く人たちに、高校生視点の年代別お薦めルートをつくることで、寄り道して、気付いたら散歩をしてしまうような活動を行った。

▼Team世界とつながる自分の世界

 国際交流、フードロス、資源の循環など、海外の仲間ともオンラインでつながりながら自分の世界を広げていく活動を実施。書道や太鼓など、伝統的な日本文化をテーマに「遊び」を通して国際交流を促し、海外の異言語、他文化と触れ合うことは意義深く楽しいことを市民に伝える活動を行った。

(札幌市 2022-11-09付)

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