札幌市　ヒグマ計画改定案　キッズコメント募集中　「ゾーニング」を細分化

（札幌市 2023-02-21付）

　札幌市環境局は、ヒグマ対策の指針となる「さっぽろヒグマ計画」の改定案を示した。場所に応じた対策を取る「ゾーニング」を細分化し、人の生活圏とヒグマの生息域とのすみ分けをより明確化した。３月中の策定に向けて、小中学生を対象にしたキッズコメントを募集しており、計画に子どもたちの意見を反映させる。

　計画期間は５～９年度までの５年間。「人は街で、ヒグマは森で。」をビジョンに掲げた。現行計画では、南区、西区など６区を対象地域としているが、改定案は市内全域に拡大した。

　ゾーニングは、従来の「森林」「市街地周辺」「市街地」の３つのゾーンに、「都市近郊林ゾーン」を加えた。電気柵やヒグマが簡単に開けられないごみ箱の設置、ＡＩを使った個体識別カメラの導入などを進める。こうした施策によって、市街地でのヒグマの出没件数を３年度の３２件から、８年度は１６件に減らすことを目指す。また、ハンターや警察と連携し、出没に備えた訓練を行う仕組みを整えるとしている。

　市は、計画の改定に伴い、パブリックコメントの実施と併せて、キッズコメントの募集を始めた。対象は、小学１年生から中学３年生まで。市ホームページの専用フォームや郵送、メールなどで、３月１７日まで受け付けている。改定案は市ホームページ上で公開しており、子ども向けに分かりやすく説明したパンフレットも掲載している。

　同局は「札幌の未来を担う子どもたちの意見を参考に、より良い計画にしたい」としている。

(札幌市 2023-02-21付)