札幌市立高特事務職員会研究大会研究発表概要⑪ 旭丘高・中辻氏ら3氏 教員負担軽減へ努力・工夫
(札幌市 2023-02-20付)

研究発表Ⅱ

▼研究テーマ=チーム学校の一員として~札幌市立高校・特別支援学校・中等教育学校事務室のチーム学校への関わり

▼発表者=市立札幌旭丘高校事務長・中辻拓実、市立札幌山の手支援学校・渡邉壇、市立札幌清田高校・田巻友茉

【アンケート結果の分析】

 答申を受けて、札幌市立高校、特別支援学校、中等教育学校の事務室運営に変化はあったか、「チーム学校」において現在どのような取組を行っているか、今後、事務室は「チーム学校」の推進に向けどう関わっていくべきかを分析するため、アンケートを実施した。

・実施期間=4年6月1~15日

・アンケート送付人数=53人

・回答人数=39人

・回答率=74%

 アンケート結果について分析する。

▼学校事務職員経験年数

 高校、特別支援学校事務室の年齢構成をみると、経験年数5年以上が約85%を占めており、多くの方が答申より前に採用されている。従って、答申前と答申後の、学校事務職員や事務室の変化について実感されている方も多いと思う。

▼チーム学校

 「チーム学校」の答申の内容を多くの事務職員が理解しており、実際の業務においても、教職員間で幅広く情報・課題の共有を行っている場面や、業種の専門性や個人の得意分野を生かして業務に取り組んでいる場面において「チーム学校」で仕事をしていると感じる場面も多いようである。

 ただし、校内(特に事務室内)で具体的なキーワードが出ることはあまりなく、出ても校長等管理職による発信がほとんどのようである。事務室内であまり話題に出ない影響もあり、答申に沿った業務内容が自校の事務分掌に含まれているか分からないと答えた方も多かったのではないか。

▼教員と事務職員の業務負担

多くの事務職員が教員の負担軽減を意識しており、会計関係や文書業務の簡略化など、教員が授業以外の時間を割かれないよう努力・工夫をしているように見受けられる。

 また、銀行振込といった事務の業務と合わせてできる校外業務については、業務の傍ら代理で行っているなど、学校全体としての効率化を意識した工夫も見受けられた。中には奨学金や会計業務を教員が担当している学校もあり、金銭的な業務については事務職員が担う方が良いという意見も多くあった。

 一方で、生徒の欠席連絡や月末統計、住所管理等の学籍関係については事務職員を介するよりも教員が行う方が円滑な学校運営になるとの意見もあった。

 また、別の観点から、教員内での業務の格差解消や、校内を超えて外部業者に委託するべき仕事もあるというように、事務職員と教員間だけの問題ではないという意見もあった。

▼チーム学校の答申を受けての変化

 変化したと答えた方のうち、義務教育校(小・中学校)で勤務経験のある方が多くみられた。

 これは、チーム学校の答申が出る前から、高校・特別支援学校の事務室は複数人のチームで業務をしていたことや、小・中学校は答申を受けて以降、共同実施制度が導入されたことなどが影響していると思われる。

 また、高校・特別支援学校においても、答申の存在によってより強く意識する職員が増えたという意見や、事務職員として財務の専門家・リソースマネージャー・外部と学校をつなぐ窓口といったような役割がより一層求められるようになったとの意見もあった。

(札幌市 2023-02-20付)

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