札幌市立高特事務職員会研究大会研究発表概要⑩ 旭丘高・中辻氏ら3氏 校種の枠越え情報交換を(札幌市 2023-02-17付)
研究発表Ⅱ
▼研究テーマ=チーム学校の一員として~札幌市立高校・特別支援学校・中等教育学校事務室のチーム学校への関わり
▼発表者=市立札幌旭丘高校事務長・中辻拓実、市立札幌山の手支援学校・渡邉壇、市立札幌清田高校・田巻友茉
【事務の共同実施について】
2つ目の側面は、共同実施に期待されることが高校、特別支援学校の事務室で実践できているかということである。
共同実施では大きくつぎのことが期待される。
①学校間の事務の標準化
②教材などの共同購入による調達コストの削減
③OJTの実施による事務職員の育成・資質の向上
④事務処理のさらなる効率化・質の向上
これらが、高校、特別支援学校の事務室では実践されているのか見てみる。
最初に「学校間の事務の標準化」である。
高校、特別支援学校では、新たな事務が発生したとき、事務手続き等が変更になったときなどに、事務職員会や事務長会等が中心となって、学校間での情報交換や市教委ヘの質問事項の取りまとめ窓口となることで、学校間の事務の標準化を図っている。
課題として、事務職員会や事務長会は任意団体であることから、対応は制度化されたものではなく、将来も同様の取組を行っていけるという確証はないということがある。
つぎに「教材などの共同購入による調達コストの削減」である。
今まで高校、特別支援学校では教材の共同購入等は行われてこなかった。
共同購入ではないが、本年度から本格的に実施されたBYOD(Bring Your Own Device)では、市立高校、特別支援学校全体で新入生に約2000台のクロームブックをあっせんする必要があることから、市立札幌藻岩高校が中心となって、業者と一括あっせん販売契約を締結した。
そのことによって、全ての学校の新入生に、同じスペック、同じ補償内容の機種を、安い価格であっせんすることが可能になった。また、学校ごとに契約することによる事務の煩雑さも解消することができた。
「OJTの実施による事務職員の育成・資質の向上」と「事務処理のさらなる効率化・質の向上」は合わせて考えてみる。
事務室内では日常的に、どうすれば効率的に仕事が行えるのかいうことを事務職員同士で話し合いながら仕事をしている。
新採用職員は、事務室内で先輩職員の指導を受けながら仕事のやり方を覚えていく。
また、仕事に疑問点があったときは、事務室の職員全員で解決に向けて話し合う場面も見られる。
ここ数年は、小・中学校と高校、特別支援学校間の人事異動が活発に行われていることから、それぞれの校種での事務のやり方や、参考資料について情報交換を行うこともある。
このような事務室内のやりとりは、事務の効率化や新採用職員へのOJTとしての役割を果たしていると言える。
課題としては、学校ごとの取組であることから、どうしても学校による差があり、全ての学校において求められる平準的な成果が上げられるとは限らないということがある。
さらに、2年度から開始された「札幌市立高校・特別支援学校および中等教育学校相互支援」は、依頼校の多忙化解消という目的と同時に事務処理の効率化にもつながり、支援校から派遣された若手事務職員にとってはOJTとしての役割も果たしている。
以上のように2つの側面から検証した結果、高校、特別支援学校の事務室はチーム学校において、共同実施と同様の効果を生み出していることが分かった。
また、高校、特別支援学校事務室と、小・中学校の共同実施組織がチーム学校において同様の位置付けにあると考えるのであれば、今後は校種の枠を越えて、高校、特別支援学校の事務室と、小・中学校の共同実施組織(学校運営支援室など)が情報交換を行う機会を持ち、それぞれの成果を取り入れ、課題を解決していければと思う。
(札幌市 2023-02-17付)
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