札教研　小音研究部が学習会　効果的な鑑賞指導探る　感じ取ったこと等考えさせ

（札幌市 2023-02-20付）

　札幌市教育研究推進事業（札教研事業）小学校音楽研究部は１月下旬、市内のちえりあで全市学習会を開催した。模擬授業などを通して「“感じ取ったこと”と“聴き取ったこと”の関わりを考えさせる」鑑賞の指導の実際を紹介＝写真＝。さらに、市教委が札幌交響楽団と連携して作成した鑑賞指導素材集の活用の充実を図ろうと、具体的な活用方法についても取り上げた。

　鑑賞の領域における学習のキーワード「聴き取ったこと」「感じ取ったこと」について理解を深め、授業の充実につなげることを目的に企画したもの。さらに、市教委が札幌交響楽団と連携して２年度に作成した鑑賞指導素材集の具体的な活用方法について取り上げ、素材集を活用した指導の充実を目指した。

　市内の小学校から約６０人が参加した。開会に当たり、足立教部会長（美しが丘緑小校長）は「今後の鑑賞の授業づくりの参考になれば」とあいさつした。

　続いて、資生館小学校の数田浩樹教諭が模擬授業を披露。ブラームス作曲「ハンガリー舞曲第５番」を題材に、曲想の変化を感じ取る学習活動を設定した。

　本時では、速度が急激に変化する楽曲の一部を鑑賞。「急いでいる感じ」「途中で休憩している感じ」など、鑑賞して「感じ取ったこと」を聞き取った。その根拠を探るため、「速度」に着目してあらためて聴き「遅くなったり速くなったりするから、このように感じ取ったんだ」と「聴き取ったこと」を捉えさせる手だてを講じた。

　数田教諭は、鑑賞の授業を行う上で「聴き取ったことと感じ取ったことの関わりを考えることが大事」と強調。板書などを活用して聴き取ったことと感じ取ったことを整理・分析し「○○と感じたのは、××になったからなんだ」という考えを引き出していく重要性を説いた。

　福住小学校の近藤公美教諭は、市教委が札幌交響楽団と作成した指導素材集の活用について解説。

　「ラデツキー行進曲」を題材とした１年生の指導例では、全てフォルテの演奏、全てピアノの演奏を聴き比べることによって「強弱の変化が生み出す面白さを実感させることができる」などと紹介した。

(札幌市 2023-02-20付)