日教弘教育賞論文 個人部門優秀賞 札幌南が丘中 佐久間教諭に光 社会科中心に課題探究充実(札幌市 2023-03-24付)
優秀賞に輝いた佐久間教諭(中央)
公益財団法人日本教育公務員弘済会(日教弘)が主催する第28回「日教弘教育賞」論文の個人部門優秀賞に、札幌市立南が丘中学校(中川桃子校長)の佐久間勇史教諭が輝いた。論文は、主体的・対話的で深い学びに沿った授業の実現に向け、社会科を中心に3ヵ年にわたって実践を積み重ねたもの。課題探究の充実を念頭に置いた新たな授業を取り入れた結果、生徒の自己有用感の高まりや他教科においても効果的な学習であることを実証した。日教弘道支部の船山純支部長から表彰状を受け取った佐久間教諭は「どの教科、誰でもできる授業。(他の教員らが)取り組むきっかけになれば」と話した。
教育の振興を目指して活動する日教弘は、奨学事業や教育研究助成事業、教育文化事業、福祉事業などを推進している。その一環として、教職員の教育実践等を奨励する日教弘教育賞を平成7年度に制定。学校部門と個人部門の2部門で実践論文を募集している。文部科学省後援。
本年度は「学校の実態を踏まえ、明日の教育を考える」を主題に、応募者が具体的な研究主題を決めて、論文をまとめた。
全国から応募があった学校部門1528編、個人部門1540編の中から都道府県各支部推薦の教育論文(学校部門67編、個人部門51編)を、学識経験者や学校関係者らで構成する選考委員会で審査。その結果、個人部門の実質第1位に当たる優秀賞として佐久間教諭の「“生徒の主体的取組を核とした課題探究的な自律的学習”に関する授業~令和新時代における授業スタイル・誰一人取り残さない未来への教育実践へと広げる取組」が選ばれた。論文は、日教弘道支部の4年度教育研究論文個人部門で特選を受賞し、道代表として日教弘教育賞に推薦されていた。
佐久間教諭の論文は、課題探究的な学習の一層の充実を図ることが新学習指導要領に示された主体的・対話的で深い学びに沿った授業の実現につながると考え、社会科の授業を中心に、他教科にも応用できる授業を考えることを目的としたもの。新しい授業スタイルとして主体的な学び、対話的な学び、深い学びをより意識した授業を3年間にわたって実践した。
実践授業の前後で生徒からアンケートを集めた結果、新しい授業スタイルは「生徒の自己有用感を高めるとともに、各学びにおいても非常に効果的な授業である」と結論付けた。校内の他教科の教諭による実践授業を通して、他教科にも応用できるとした。
受賞に当たって、佐久間教諭は「どの教科でも、誰でもできるような授業で、やってみようと思ってもらえたら」と、他教科でも取組が広がることを期待し「この授業が広まるきっかけ、機会を与えていただけてうれしい」と話した。
中川校長も「佐久間教諭の研究した授業スタイルが全校に広がってほしい」と受賞を喜んだ。
(札幌市 2023-03-24付)
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