札幌市教委　東苗穂小と伏古小　規模適正化へ統合案　地域と共により良い環境検討

（札幌市 2023-03-27付）

　札幌市教委は、学校規模の適正化を図るために、児童数の減少が著しい東苗穂小学校と隣接校区の伏古小学校を統合する案を示した。過日開いた伏古本町・札苗地区学校配置検討委員会で、取組案の一つとして提示したもの。今後、地域住民との話し合いを通じて、統合を含めてより良い教育環境の在り方を検討していく。

　市教委は、少子化に伴う学校の小規模化を防ぐため、平成１９年に「市立小・中学校の学校規模適正化に関する基本方針」を策定。「小学校１２学級以上」「中学校６学級以上」を適正規模と設定した。

　令和４年度に入って、１０年度までの学級数を推計したところ、小・中学校計４３校で適正規模を下回る見込みであることが分かった。このうち、東区、豊平区、南区の計３区６地区に、学校や町内会関係者、ＰＴＡでつくる学校配置検討委員会をそれぞれ設置。クラス替えが困難になるなど小規模化によって生じる課題を解決するために、今後の在り方を検討していく。

　東苗穂小の児童数は昨年５月１日現在で１９３人、学級数は７学級（特別支援学級を除く）で、既に適正規模を下回っている。１０年度の推計では、１１８人６学級となる見込みだ。

　市教委が示した隣接校区の伏古小と統合する案は、伏古小の敷地の活用を想定。築４０年以上が経過し、老朽化が進んでいることから統合に合わせて改築するとした。また、児童会館の複合化も視野に入れている。

　その場合、東苗穂児童会館と伏古児童会館は閉館する。東苗穂小と児童会館の跡地については、いずれも公共利用の可否を市が検討するとした。

　委員からは「近隣の札苗北小や札苗緑小との情報共有も必要」「より良い教育環境を少しでも早く提供するためには、検討期間を短縮すべき」などの意見が上がった。

　次回の検討委員会は５月２５日に開く。今後は３ヵ月に１回のペースで開く予定。市教委担当者は「決定時期は定めずに、地域住民と共にしっかり検討していく」としている。

(札幌市 2023-03-27付)