道小、道中、道公教が要望書　人材配置、教育ＤＸ推進を　道教委に９１事項求める

（道・道教委 2023-05-31付）

道小・道中・道公教文教施策要望

　道小学校長会（森田智也会長）、道中学校長会（森田聖吾会長）、道公立学校教頭会（野田隆之会長）は２９日、道教委に「北海道文教施策・予算策定に関する要望書」を提出した。３団体の会長が道庁別館を訪れ、倉本博史教育長に要望書を手渡した＝写真＝。令和の日本型学校教育を構築するための人材配置や教育ＤＸを推進する環境の整備など、６年度予算の策定に当たり９１事項を求めた。

　要望書は①学校経営の一層の充実と教育課程の推進および教育条件の整備・改善②教職員の資質の向上を図る研修の推進と内容の充実・強化③意欲をもって職務に専念できる教職員の地位・待遇の改善④教職員の福祉および再雇用や退職後の生活安定の確保⑤国、道の施策としての関係諸機関への働きかけ―の５つを柱に構成。

　具体的な内容をみると「個別最適な学びと協働的な学びの実現に向けたきめ細かな支援を行うための人材配置」「新年度開始時の加配・期限付教諭の確実な配置と欠員補充の確保体制の強化」「教員業務支援員をはじめとする支援人材の拡充」など、人的配置の充実を求めた。

　教育ＤＸへの対応では、新時代の校務支援システムの導入を図るため、転校・進学時に自治体間でデータ引き継ぎを可能とするシステムの全道標準化の推進を求めたほか、管理職を含めた全教職員分の端末整備やデジタル教科書活用のための通信環境の点検・整備など、ハード面の対策を盛り込んだ。

　学校における働き方改革の着実な推進に向けては、学校が担う業務の精選や学校事務の整理、休日のまとめ取りを可能とする「１年単位の変形労働時間制」の適切な運用を要望。部活動の地域移行に向けた市町村への財政支援とともに、部活動の教育的機能・役割を補完する新たな社会環境を整備するよう求めた。

　また、特別支援教育に関するキャリアパスの構築や交流・共同学習の適切な推進について要望。物価高騰に伴う各種値上げへの対策として、修学旅行の引率教員旅費（宿泊費）など必要経費の基準額・限度額の改定を訴えた。

　要望書を受け取った倉本教育長は、内容を十分に検討し、後日回答する意向を表明した。

(道・道教委 2023-05-31付)