道教委 初任段階養護教諭等研修 命直結する仕事認識を エピペン使用や心肺蘇生等(道・道教委 2023-05-31付)
道教委は25、26日の2日間、道自治労会館で初任段階養護教諭等研修1年次・初任者第Ⅰ期を開催した。全道から約90人が参加し、職務遂行に必要な事項に関する研修8講座を受講した。参加者は、エピペン使用や心肺蘇生などの実際の学校現場を想定した講義・演習を通じて、指導力向上に努めた。
研修は、今日的課題や個々の事例に対応できる能力の育成、実践的指導力向上を図ることをねらいとしている。初任段階養護教諭として必要な資質・能力の育成および向上のため、講義、協議、演習などを実施した。
冒頭、今村隆之健康・体育課長があいさつ。児童生徒が生きる力を身に付ける上で「健康はその基盤にあり、養護教諭の職務は非常に尊いもの」と強調。コロナ禍が一つの区切りを迎えた一方で、季節外れのインフルエンザ流行や熱中症などへの警戒を求め「命に直結する仕事が課せられていると認識する必要がある」と述べた。
特に、食物アレルギーへの対応に関わっては、東京調布市の事故や道内における事例を挙げ「皆さんの実践が児童生徒の心身の健やかな成長につながる」と指摘。実践的指導力の向上へ「同期のつながりを大切にしながら、研修後も振り返り、知識・技能の習得に努めてほしい」と呼びかけた。
開会式のあと、講義「学校保健の課題と養護教諭の職務」を行った。4人の先輩教諭が「保健室経営の実際」という題目のもと、発表・交流した。続いて「保健教育」と題して講義を行い、参加者は職能の向上に努めた。
2日目は、講義・演習「生徒指導・教育相談」のあと、真駒内キッズクリニック看護師の大竹由香穂氏による講義・演習「アレルギー対応」を、栄養教諭と合同で実施した。
大竹氏は、食物アレルギー・アナフィラキシーショックのメカニズムや症状を解説。血液検査結果が陰性であっても対象の食物を摂取することが危険につながるケースを挙げつつ、学校で講じるべき給食上の対応や、児童生徒・保護者への措置などを紹介した。
生活管理指導表の適切な使用やアクションカードの確認、症状チェックシートの重要性を説いたほか、必要な場合は重症化する前に迷わずエピペンを使用するよう訴えた。
参加者はアナフィラキシーショックが発生した状況を想定し、エピペンを注射する場面を演習した。緊急時には、迅速に救急要請するとともにAED手配と継続的な胸骨圧迫を的確に行う点も学んだ。
健康・体育課健康・体育指導係の篠原弥智係長は、各校に生活管理指導表の提出や校内での緊急時対応研修の実施を求めた。
献立表の誤表記や担任の確認不足によって起こった事例を踏まえて、危機管理マニュアルや緊急連絡網、校内研修資料の作成を要請。各校の実情に合わせて、実効性のあるものに改定し、緊急時の素早い対応を可能とするよう周知した。
講義後の質疑応答では、複数の参加者が講師らに疑問を投げかけ、学びをさらに深めた。
コミュニケーションに関する講義のあと、札幌白石高校の駒井博和校長が「養護教諭に期待すること」と題して講話した。
(道・道教委 2023-05-31付)
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