札幌厚別通小と厚別北小、厚別北中　９年間の学びの姿共有　小中一貫した教育へ交流会

（札幌市 2023-09-04付）

札幌厚別通小など３校交流会

　札幌市立厚別通小学校（中村禎宏校長）は８月２３日、小中一貫した教育に基づく３校交流会を行った。厚別北小学校（田川則紀校長）と厚別北中学校（三上寛晃校長）の教職員らが訪問し、国語など４教科の授業を参観。終了後は、グランドデザインの実現に向けた具体的な取組を討議し、９年間の学びについて共通認識を育む契機とした。

　市は「知・徳・体の調和のとれた育ち」を充実させるため、４年度から全ての小・中学校で小中一貫した教育を全面実施している。

　厚別北中学校区では、目指す子ども像を「主体的に考え、実践できる子ども」と設定。ＴＰＯの理念に基づき「時や場所を考え、今は何をするべきなのかを自分で判断して行動できる子ども」の育成を目指し、コミュニティ・スクールと連動した不登校対応をはじめ、学習指導案や教育課程計画の交流、キャリア・パスポートの連続活用などに取り組んでいる。

　この日は、１～３年生の国語、４・５年生の道徳、６年生の社会、あくしゅ学級の音楽授業を公開。パートナー校である厚別北小と厚別北中から教職員が多数参観に訪れた。

　うち４年１組道徳（青木英子教諭）では「どうしてあいさつするの？」を学習目標に、互いに気持ちの良いあいさつをしようとする実践意識と態度を醸成する授業を展開した。

　動物のコミュニケーション方法を導入として「みんなはどうしてあいさつするかな？」と投げかけ、あいさつのある学級とない学級の様子を映像で比較。児童たちは「あいさつがあると、楽しくて明るい。友達と仲良くなるし、元気が出る」と印象を口にした。

　青木教諭は「積極的にあいさつできたらいいね」とコメントしたあと、気持ちの良いあいさつのポイントとして①顔を見る②笑顔で言う③頭を下げる④先に言う⑤遠くから言う―の５点を確認した。

　状況に合わせた適切な表現やポイントを問うミニテストで授業内容を復習したあと、早速、授業を見学していた参加者に大きな声で「ありがとうございました！」とお礼を述べ、学習したことを実践した。

　参加者は「すてきなあいさつができるので安心した」と返した。

　授業後は、知・徳・体の３領域ごとに、各領域の取組重点を踏まえながら意見交流。徳の領域では今後、あいさつ運動実施週間を設けることや各校のあいさつ標語を集約した連携標語の決定に取り組む観点から、具体的な標語案や通学路指導などを共有した。

　厚別北小の田川校長は講評で「１０年後、２０年後を生き抜く人材の育成を見据える」ことを訴え、中１の１学期と１５の春に視点を置いた教育の必要性を呼びかけた。また「小中一貫した教育の魅力を実感できるよう取組を継続していかなければならない」と強調した。

(札幌市 2023-09-04付)