札幌市教委　５年度事務点検報告　学びの支援総合センター　相談事業で成果　子支援の方向性学校と共有

（札幌市 2023-09-06付）

　札幌市教委は５年度教育委員会事務点検・評価報告書をまとめた。市教育アクションプランで計画している計画している事業について、４年度中に実施した１０２件を自己評価し、今後の方向性を示した。新たに開設した「学びの支援総合センター」の相談事業では、日本語能力判定コーディネーターを活用した学校訪問で、発達に課題のある子どもの支援の方向性を学校と共有できたとした。

　事務点検・評価は、効果的教な教育行政の推進を図ることを目的に、毎年実施しているもの。平成２６年に策定した市教育振興基本計画の進行管理を兼ねている。

　報告書では、４年度中に実施した内容に関する自己評価と今後の方向性をまとめた。また、道教育大学札幌校の高久元教授と札幌大谷大学の和田佳子教授からの意見を受けて、市教委の見解や今後の方向性を示した。

　４年度に開設した、不登校や発達などの困りごとの相談に応じる窓口「学びの支援総合センター」事業では、日本語の習得や発達の困りを抱える子どもの様子を把握するために、計５件の学校訪問を実施。日本語能力判定コーディネーターも帯同したことで、支援の方向性を保護者や学校と共有でき、適切な支援への接続が図れたとした。

　和田教授は、多様な領域での相談体制の充実を評価しつつ、「相談に向かうハードルを下げる仕組みを工夫すべき」と指摘した。

　地域と学校が連携して多様な学びを提供する「サッポロサタデースクール」は、４年度に平日放課後や授業時間まで活動範囲を拡大。２８校２５運営協議会で実施した。今後は、コミュニティ・スクール導入の動きに合わせて、コーディネーターの地域学校協働活動推進員への移行などを検討するとした。

　高久教授は平日拡大を「学校や教員の負担軽減にもつながっている」と評価した。

　報告書は、市議会に提出するとともに、市民に公表する。

(札幌市 2023-09-06付)