札幌市学校教護協が理事幹事研修　発達支持的生徒指導を　文科省・井川氏が講演

（札幌市 2023-09-07付）

札幌市学校教護協理事幹事研修

　札幌市学校教護協会（須藤勝也理事長）は８月３１日、ホテルライフォート札幌で５年度第２回理事幹事研修会を開いた。文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導室・生徒指導調査官の井川恭輔氏が講演。約１５０人が参加し、昨年１２月に１２年ぶりに改訂された「生徒指導提要」を踏まえた、自殺やいじめなどに対する生徒指導の方向性について確認した。

　研修会は、関係機関からの情報を整理して日常の生徒指導に役立てようと実施しているもの。

　井川氏が「生徒指導提要の改訂を踏まえたこれからの生徒指導の方向性」と題し、講演した。

　井川氏は、今回の改訂によって、子どもの主体性を生かす指導を重視する内容に転換したと説明。自発的な成長や発達を尊重して支える「発達支持的生徒指導」が重要とした。

　続いて、個別課題に対する生徒指導の方向性について話した。

　自殺に関しては「自殺の理由はいじめだけではなく、学業不振など分散しており、いわゆる決め打ちができない」と述べた。

　その上で「早期発見など未然防止の観点からの対応が求められる」と指摘しし、心の状態の把握の仕方や、ＳＯＳの出し方など予防教育を行う必要があるとした。

　いじめについては、犯罪に当たると見られる場合は、警察への相談を徹底するよう求めた。「学校だけで対応するには限界がある。日頃から専門機関と関係を構築し連携することが大事」と述べた。

(札幌市 2023-09-07付)