札幌苗穂小で地域連携の防災訓練　胆振東部地震を教訓に　市消防局公式キャラの授業等

（札幌市 2023-09-07付）

札幌苗穂小で地域連携の防災訓練

　６日、道内に大きな被害を生んだ北海道胆振東部地震の発生から５年を迎えた。その前日の５日、札幌市立苗穂小学校（宮越政利校長）で地域住民、関係機関などと連携した防災訓練が行われた。札幌市消防局の公式ブイチューバー「かさいまもり」による防災授業が行われ、１～４年生に対し災害発生時の行動のポイントなどを伝えた。このほか、安全確保行動を身に付けるシェイクアウト訓練などを行い、震災の教訓をもとに命を守る日頃の備えを確認した。

　平成３０年の地震発生から５年を迎えようとしている中、当時の記憶を風化させないこと、今後札幌市で想定される大規模地震への備えを身に付けることを目的に札幌市東区が主体となって実施したもの。学校、地域住民、関係機関の関係者総勢４６０人が参加し、連携して防災について学んだ。

　東区は、道が実施する北海道シェイクアウトに４年度から参加しており、今回の防災訓練もシェイクアウトに準ずる形で実施。発生時刻を告知せず、参加者にはそれぞれの状況に応じて１分間安全確保行動を取るよう呼びかけた。

　訓練に先立ち、１～４年生を対象に防災授業を行った。市消防局が展開するインターネットコンテンツ・バーチャルスクールの公式キャラクターとして誕生したブイチューバーかさいまもりが、地震発生時の行動や防災のポイントなどについて解説する様子を各学級に配信した。

　胆振東部地震の被害状況などを示しながら、命を守るポイントとして「安全な場所で“頭”と“体”を守る」「地震が収まったら安全な場所に避難する」「日頃から、最低３日分は備蓄しておくこと」の３点を提示し、安全確保を呼びかけた。

　さらに、質問コーナーを設定。１年生の教室では、児童の発言を学級担任がチャットに打ち込んでかさいまもりに送った。「学校の帰り道、ひとりぼっちのときに地震が起きたら何に気を付けたらいい？」との質問に対し「まず頭と体を守ることが大事。それから近くにいる大人に助けを求めて」と答えた。

　このあと、児童と地域住民は避難所開設、応急手当て、給水・給食などの各種体験に参加。その途中「強い揺れが発生した」との校内放送が響き渡った。

　教室、廊下、体育館など各自のいる場所や状況に応じて、机の下にもぐったり、低い体勢で体を丸める“ダンゴムシのポーズ”を取ったりするなど安全を確保する行動に努めた。

　宮越校長は「きょうの体験を記憶に残すことで、今後の学習に生きてくるのでは」と期待した。

(札幌市 2023-09-07付)