札幌市教委　就学援助電子申請　１０月から試行導入　新小１がいる世帯対象

（札幌市 2023-09-13付）

　札幌市教委は、１０月から就学援助の電子申請を試行導入する。６年度入学予定の新小学１年生がいる世帯が対象で、スマートフォンなどを使って時間を問わず申請することが可能となる。学校を経由せず市教委が直接申請を受け付けるため、申請に係る保護者や学校の負担軽減を期待している。

　就学援助は、経済的な事情によって子どもの義務教育に係る就学費用の支払いが困難な世帯に対し、その費用の一部を援助する制度。

　現状の申請方法は、保護者が紙の申請書に必要事項を記入し就学先の学校に提出。学校は申請書を集約し、形式審査を行ったあと市教委に提出する流れとなっている。

　一方、共働き世帯が増加する中、申請書の記入や提出に係る保護者の負担が課題となっている。また、働き方改革推進の観点から、申請書の配布や集約、形式審査に係る学校の負担を軽減する必要性が高まっている。

　このため、６年４月に入学予定の新小学校１年生がいる世帯を対象に電子申請を試行導入する。

　札幌市が導入を進めている（株）グラファーのスマート申請を活用する予定。保護者がスマートフォンなどの通信機器を使って、時間を問わず申請することが可能となる。試行期間は１０月１３日～６年３月３１日まで。

　保護者が申請したデータは学校を経由せず市教委に直接届くため、学校は申請書の配布、集約、形式審査を行う必要がなくなる。

　申請内容の不備対応については、専用のオンラインフォームを設け、保護者が市教委に直接追加書類の提出等をできるようにする考え。

　１０月中旬ごろ、市教委が各家庭に送付する就学時健康診断の案内に電子申請に係る周知文を同封する予定。対象外の世帯や電子申請を希望しない場合は、現行どおり書面で申請する。

　市教委は今後、試行導入の結果を踏まえて課題等を整理し、他学年への展開について検討するとしている。

(札幌市 2023-09-13付)