札幌北栄中　こころのライブ授業　君はそれで素晴らしい　ロックバンドの演奏など

（札幌市 2023-09-14付）

札幌北栄中こころのライブ授業

　札幌市立北栄中学校（笹川恒春校長）で１日、「こころのライブ授業」が開かれた。道いのちの電話の杉本明事務局長と、希望を歌うロックバンド“ナイトｄｅライト”の４人が来校。全校生徒約３８０人に対し、命の大切さを伝えた。

　長期休業明けの８月末から９月にかけては、不安や悩みを抱える児童生徒が増える傾向にあり、児童生徒一人ひとりをきめ細かに見守る教育相談体制を構築する重要性が一層高まる時期だ。

　このため同校は、毎年９月１日に全校道徳「命の大切さを学ぶ教室」を開催。外部講師による講話などを通して、生徒が自己を肯定的に受け止め、自他のかけがえのない命を大切にしようとする心を育んでいる。

　本年度は、道いのちの電話が４年度から展開している出前授業「こころのライブ授業」を実施。直接心に響くものにしたいとの思いから、講話とナイトｄｅライトのライブを組み合わせた構成とした。

　前半は、杉本事務局長が講話し、いのちの電話について紹介。

　ＳＮＳの普及や若者の電話離れによって近年は１０代の相談件数が減少しつつあり、４年度は全体の２％程度だったという。そうした中「心が苦しいのに誰にも話ができないようなときに使ってほしい」と、相談先の選択肢の一つとして提案した。

　一方、回線が混み合って電話がつながらないときもあるため「まずは身近にいる信頼できる人に話をしてほしい」と呼びかけた。「悩みを分かってくれる人に出会うのは大変かもしれない」と寄り添いながら「それでも勇気を持って話してみて。話を聞いてくれる人は必ずいる」と背中を押した。

　また「友達やクラスメートの様子が普段と違うと感じたときは、ぜひ声をかけてほしい」と訴えた。その上で、相手が悩みを打ち明けてくれたら、傾聴の姿勢で話を聞き、相談内容を他言しないよう求めた。

　ナイトｄｅライトのライブに移り、いのちの電話のテーマソングとなっている「君はそれで素晴らしい」を含めた４曲を披露。一人ひとりが生きていること、存在そのものを肯定し「君はそれで素晴らしいんだよ」とメッセージを送った。

(札幌市 2023-09-14付)