地域住民招き酪農教育ファーム再開　何を伝えたいか考えて　帯農高 帯畜大准教授が講義

（学校 2023-09-22付）

　【帯広発】コロナ禍が明け、帯広農業高校（佐藤裕二校長）酪農科学科２・３年生は地域住民を招いた酪農教育ファーム活動を再開している。１５日、帯広畜産大学の瀬尾哲也准教授を同校に招き講習会を実施。５、６月に開催した幼稚園児との交流会を振り返り、今後の取組に向けて研鑚を積んだ。

　同校が所有する牛舎は、一般社団法人中央酪農会議から酪農教育ファーム認証牧場に認定されている。「酪農を通して食や仕事、命の学びを支援する」という活動理念に準じた教育活動を通じて、同校生徒は地域貢献に取り組んでいる。

　ことし５月下旬および６月中旬、４年ぶりに酪農教育ファーム活動を再開。酪農科学科２・３年生の授業「課題研究」における乳牛分会の生徒たちが、市内の幼稚園児に向けて、給餌やブラッシングの体験、ウシにまつわるクイズなどを実施した。

　１５日の講習会では「活動理念のもと、園児たちに学んでもらえた」「天候の変化にも臨機応変に対応できた」と活動を振り返った。一方で、事前準備の不足や時間配分の調整など、１０月以降の活動に向けて改善点を挙げた。

　瀬尾准教授は「酪農教育ファーム活動を行う上で大切なことは、安全と衛生」と強調。「参加者、自分、ウシの安全を確保しないと教育は行えない。計画する際、具体的に考えてほしい」と話した。

　また「生まれて初めてウシを触った時に感じたこと」を質問した。生徒たちは幼少期を思い返し「ウシがかわいいと思った」「ウシが大きくて怖かった」「飼料などの臭いが強かった」と回答。瀬尾准教授は「今後参加する子どもたちも同じように思う。素直な感情を引き出し、受け入れることで、良い思い出になるようサポートして」と伝えた。

　今後の活動計画に関しては「参加者に教えたいことは山ほどあると思うが、体験を目的とする参加者が多い」「ウシにかかるストレスやリスクがある中で活動している。何を伝えたいか、何を感じてほしいかを中心に立案することが大切」と呼びかけた。

　２年生は１０月上旬、市内の幼稚園児に向けて学習交流会を実施し、搾乳・哺乳体験等を実施する。３年生は１０、１１月、企画立案とともに参加者募集を含め取り組む予定。

(学校 2023-09-22付)