部活動地域移行へ　モデル事業開始　市立中バドミントン部員が拠点校で　外部人材が指導　来年２月まで　札幌市教委

（札幌市 2023-12-19付）

　中学校の部活動の指導を地域のスポーツ団体などに委ねる「地域移行」に向けて、札幌市教委はことし１０月から、各市立中学校のバドミントン部員が拠点校に集まって休日に活動するモデル事業を始めた。教員に代わって外部指導者が技術指導を担当する。来年２月まで行い、指導者の確保や保護者の費用負担、運営経費などの課題を整理する。

　１０日、市立札幌開成中等教育学校の体育館で、他校の部員３人が同校の部員約５０人と一緒に、２時間ほどの練習に励んだ。教員の姿はなく、競技経験者の外部指導者３人が熱心に指導に当たる。栄町中学校の三上颯一郎さん（１年）は「専門的な指導を受けられる。大会でも成果が出た」と話す。

　国の「５年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業」で、運営は全国の自治体で部活動指導業務を担うリーフラス（株）に委託した。

　モデル事業は、札幌開成中等と市立札幌旭丘高校の２校を拠点に、休日に開催。市立中学校のバドミントン部員であれば誰でも参加できる。希望する日時や会場も選べるため自分の都合に合わせることができ、シャトル代や保険料などを含む参加費はかからない。出欠連絡やけがをしたときの手続きなど事務的な業務も同社が受け持つ。

　１０月と１１月は計１３回実施し、延べ９０人の生徒が参加した。生徒からは「様々なレベルの相手と練習試合ができる」「今までやったことのない練習メニューもあり、自分の弱点が見つけられた」と好評だ。一方で「自宅から通うのが大変」などと様々な意見が上がっている。

　運営するリーフラスの梶賢介さんは「他校の生徒同士、学び合いの関係性も生まれてきている。技術力向上や教員の負担軽減などの効果を上げるだけではなく、人間性を育てることができれば」と話している。

　来年２月まで。市教委は、指導者の確保や保護者負担といった課題を整理して報告書にまとめる。

(札幌市 2023-12-19付)