札幌市　第２次子の貧困対策計画案　小学校高学年　企業で職業体験　ヤングケアラー支援拡充も

（札幌市 2023-12-20付）

　札幌市子ども未来局は、第２次子どもの貧困対策計画案をまとめた。１１日に開かれた市議会文教委員会で示したもの。基本目標「子どもが生まれ育った環境などに左右されることなく、毎日を安心して過ごしながら、夢と希望をもって成長していくことができる社会の実現」のもと、４つの基本施策を推進。新規事業として、小学校高学年を対象とした企業訪問型の職業体験事業の実施を掲げたほか、ヤングケアラー支援推進事業を拡充し、新たに家事援助などの支援に取り組むことなどを示した。

　計画期間は５年度から９年度までの５年間。

　基本目標は第１次計画に引き続き「子どもが生まれ育った環境などに左右されることなく、毎日を安心して過ごしながら、夢と希望をもって成長していくことができる社会の実現」。

　①周囲の支えが届きにくい世帯に留意の上、困難を早期に把握し、必要な支援につなげる取組の推進②子どもの学びと育ちを支える取組の推進③子育て家庭の生活を支える取組の推進④特に配慮を要する子どもと家庭・若者に寄り添い、支える取組の推進―の４つの基本施策を推進していく。

　①では「成長段階に応じた切れ目のない相談支援」で１５事業、「配慮を要する子どもと家庭・若者への相談支援」で１７事業、「地域や団体・関係機関との連携による支援と、広報の充実」で７事業を推進。スクールソーシャルワーカー活用事業、スクールカウンセラー活用事業を拡充し、相談体制の強化を図ることなどを示した。

　②では「子どもの健やかな育ちと多様な学びの支援」で２２事業、「学びを支える教育費の負担軽減・進学支援」で９事業、「健やかな成長を促す体験活動と子どもの居場所づくりの推進」で１６事業を掲げた。子どもの居場所づくりに向けた新規事業として、小学校高学年を対象とした企業訪問型の職業体験事業を実施する方針だ。

　③では「安心して出産・子育てするための生活支援」で２０事業、「保護者の就労の安定や自立に関する支援」で７事業、「子育て家庭を支える経済支援」で１６事業を進める。子どもの入院・通院医療費を段階的に高校３年生まで拡大する方針などを示している。

　④では「社会的養護を必要とする子どもへの支援」で８事業、「ひとり親家庭への支援」で１４事業、「困難を抱える若者への支援」で１１事業を掲げた。ヤングケアラー支援事業では、当事者同士の情報交換の場を拡充するほか、新たに専門窓口の開設、家事援助などの支援に取り組むとしている。

　成果指標として、各基本施策に応じて計９項目を設定し、進行管理を行っていく考えだ。

　パブリックコメント、キッズコメントを経て、本年度中の策定を目指している。

(札幌市 2023-12-20付)