校長室から―未来育む札幌の学校―　保護者・地域へ発信を　札幌市立新琴似中学校

（札幌市 2023-12-20付）

美術科の授業風景

▼わが校の強み

　麻生・新琴似地区の中心として、昭和２２年琴似町立新琴似中学校として開校した。現在、生徒数５５５人という大きい規模にもかかわらず、落ち着いた雰囲気のもと、生徒は諸活動に積極的に取り組んでいる。歴史的な経緯から、地域との関わりも深く、特に新琴似歌舞伎には、本校の生徒が参加し、本年度はコロナ明け、再開の準備を進めている。毎朝、教職員が率先して玄関であいさつをし、生徒と共に明るく元気なあいさつから一日が始まる。

▼生徒の成長に向けて

　本校の特色として「ミットメール」と「生徒会活動」を紹介したい。生徒の成長を期待する支援に重点を置く共通理解のもと、指導部長が発行するミットメールという題の通信は、全校生徒の心の琴線に触れ、教師間の共通理解にも大きく貢献している。また、生徒会活動も活発で、生徒会歌の受け継ぎや、委員会の「他者理解」の活動、朝のあいさつ運動など、多くのアイデアで、生徒の自主性の育成に励んでいる。

▼教職員への思い

　ほとんどの教職員が、日常の授業実践について丁寧かつ、生徒の立場に立った授業づくりに取り組んでいる。また、本校は部活動が活発であり、多くの教職員の協力のもと運営が成り立っている。しかし、ＩＣＴ導入に関わる研修、様々な保護者対応や、個別生徒への支援が増加し、教職員の負担は増すばかりである。「働き方改革」と「教職員の健康安全を守る」ためにも保護者・地域へ理解を強く発信していきたい。

▼校長としての喜び・楽しみ

　本校には、２度の大きな校内暴力・学校危機に直面した歴史がある。私自身も、２度目の危機の時に本校教諭として在籍していた。校長室で「なぜ、あの荒れた学校状況となったのか」「なぜ、立ち直ったのか」と、日々、自問自答している。時代は変わったが、当時を経験する同僚教師たちが、各学校・方面で活躍している今、あの当時の苦労を共有し、学校再建に共に励んだ仲間の思いと熱意を、今の職員に継承していきたいと願う。

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千葉敏雄校長

(札幌市 2023-12-20付)