子の体力向上へ札幌市教委と道教大　“三間”創出の方策検討　授業改善の取組効果検証も

（札幌市 2024-01-24付）

　札幌市教委と道教育大学が連携して実施している「子どもの体力向上」に係る調査委託研究の本年度研究が始まった。「運動習慣がない子どもの“仲間・時間・空間〈三間（さんま）〉”創出についての方策検討」など二つの調査研究課題を設定。委託先の道教育大札幌校保健体育教育分野研究室による研究成果などを踏まえ、子どもの体力・運動能力向上を図る方策の充実に役立てる考え。

　これまでの全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果の傾向をみると、市内では「運動が好き」「体育の授業は楽しい」など運動やスポーツを肯定的に捉えている子どもが多く、肯定的に捉えている子ほど卒業後も自主的に運動する意欲がある傾向が表れている。

　一方、中学生女子の約４人に１人は、体育の時間を除く１週間の総運動時間が１時間未満であることが継続的な課題となっている。

　これらの課題の解決に向けて、元年度から調査研究を実施。これまでの調査研究結果に基づき、実践的・科学的に研究を深化させ、子どもの体力・運動能力の向上を図る方策の一層の充実に役立てることを目的としている。

　本年度は①運動習慣がない子どもの「仲間・時間・空間（三間）」創出についての方策検討②授業改善の取組による効果検証―の二つの調査研究課題を設定した。

　①では、運動機会が少ない中学生（体育の時間を除き１週間の総運動時間が６０分未満の生徒）の運動習慣形成を目的とした新しい活動を増やしていくための方策を明確にしていくとともに、運動の阻害要因を究明することで解消する手だてを検討していく。中学校３校を調査対象として運動習慣の形成に係る取組を実践し、効果検証を行う。

　②では、これまでの調査研究によって授業改善の取組が子どもの体力向上に資することが明らかになったことを踏まえ、良い授業の条件や場づくりの工夫、教師の関わり方のポイントを明らかにするため、授業改善に資する情報共有を継続的に行い効果を検証する。実践研究対象として中学校教員３０人程度の協力を得る。

(札幌市 2024-01-24付)