札幌市教委　不登校児童生徒支援へ　６年度　新たな学び場整備　オンラインコース等本格化

（札幌市 2024-01-25付）

　札幌市教委は、６年度から不登校児童生徒のための新たな学びの場整備事業を開始する。本年度試行している教育支援センターでのオンラインコースとサテライトを本格実施する方針。現在、具体的な内容の検討を進めており、市教委は「これまで支援の手が届きにくかった子の状況改善に資する取組になれば」と期待している。

　文部科学省の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果をみると、札幌市における４年度の不登校児童生徒数は過去最多の４８３６人を更新。全国的な傾向と同様、不登校児童生徒への支援の充実が課題となっている。

　現在、月寒、白石、宮の沢、真駒内、新琴似、伏見の６ヵ所に教育支援センターを設置し、学習や体験活動を中心とした支援を展開しているが「外に出ることが難しい」「教育支援センターが近くにない」など支援の手が届きにくい児童生徒にも対応できるよう、本年度、新たな試みとしてオンラインコースとサテライトの設置を試行している。

　オンラインコースは、宮の沢の教育支援センターにオンライン環境を整備し、１人１台端末のドリル問題など学習支援を中心としたプログラムを展開。不登校対策相談指導員によるサポートなどを通して、外部とつながることが難しい児童生徒への学びの保障につながっている。

　サテライトは、教育支援センター未設置の４区のうち、東区と清田区に設置。体育館、図書館、児童会館など関係施設を活用し、体験活動中心のプログラムを実施している。「他者と関わる楽しさが味わえる機会になっている」といった成果が表れている。

　６年度から、これらの取組をより充実させ、不登校児童生徒の状況の改善につなげていく考えだ。

(札幌市 2024-01-25付)