札幌開成中等　防災サイエンス　万が一を考えよう　講演等通し冬季の備え学ぶ

（札幌市 2024-03-06付）

防災サイエンス

　市立札幌開成中等教育学校（宮田佳幸校長）は２日、同校でＳＳＨ「防災サイエンス」を開催した。「厳冬期の防災について考える」をテーマに、同校生徒や近隣の小学生、保護者ら約４０人が参加。避難所生活で必要となるアイテムを考えるゲームや、日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏教授による講演などを通して、楽しみながら冬季防災への備えを学んだ。

　同校は、文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール」の指定を受け、４年度からは３期目の取組を進めている。その一環として、災害時に自ら考えて行動する生徒の育成を目指し「防災サイエンス」を開催している。

　はじめに、プロ野球のドラフト会議を模した「防災グッズドラフト会議ゲーム」を開催。厳冬期の札幌で震度６弱の地震が発生したことを想定。避難生活で必要だと思われる防災グッズを順に指名して獲得を目指す内容。グッズには、重要度に応じてあらかじめ点数が定められており、獲得したポイントの高さを競った。

　続いて、根本教授が段ボールベッド作りや災害時用トイレなど、避難所アイテムの活用について説明。段ボールベッド作りでは、参加者が２基のベッドを組み立て、ベッドの上と床に寝転がり、体感温度を比べた。

　災害時用トイレについては、根本教授が熱密着によって排せつ物を１回ごとに密閉する仕組みを紹介〓写真〓。元日に発生した能登半島地震の被災地でも活用されていることを伝えた。

　このあと、根本教授が「万が一を考えてみよう」と題して講話。厳冬期における低体温症対策、発電機などの使用による一酸化炭素中毒などに留意するよう説き、災害時に健康を保つため「トイレ」「食事」「寝るところ」「（冬季の）暖房」に備えることを訴えた。

　ゲームの企画・運営に携わった山岸駿介さん（５年）は「実際に避難する際に何が必要かを考える契機になれば」と期待した。

(札幌市 2024-03-06付)