算数学びｂｅｙｏｎｄプロジェクト　導入部の指導資料提供　小５・６で５単元分用意　札幌市教委

（札幌市 2024-03-05付）

　札幌市教委は、６年度から開始する算数学び「ｂｅｙｏｎｄ」プロジェクト事業の具体的な内容を固めた。新たな教材となる「ｂｅｙｏｎｄ」パッケージについては、導入に当たる「イントロダクション」の指導例を示したスライド資料を提供。小学５・６年生のそれぞれ５単元分を用意する。これ以外の単元については、パッケージをモデルとして、児童の実態に応じて各学校・学級で工夫するよう呼びかけている。

　平成３０年度から全小学校で実施している算数にーごープロジェクトの後継事業に当たるもの。

　「学びのコントローラーをもっているのは子ども自身」をコンセプトに、課題探究的な学習の内容を子どもの視点で捉え直したことなどを踏まえ、算数にーごープロジェクトを再構築し、新たに算数学び「ｂｅｙｏｎｄ」プロジェクト事業を実施することとしている。

　小学校における３５人以下の少人数学級が６年度に５年生、７年度に６年生に拡大されることを踏まえ、５年生は全学校で学級単位での授業を推進。６年生は初年度のみ、２７人以上の学級の場合は２５人程度以下のグループを編成し、非常勤講師を活用しながら授業を行う。

　算数にーごープロジェクトのカリキュラムに代わる「ｂｅｙｏｎｄ」パッケージは、児童が学習の見通しを持つ場面・イントロダクションの指導例を示す「イントロスライド」「市教育課程編成の手引」に掲載する予定の課題探究的な学習の指導展開例の２点で構成する。

　イントロスライドは、５・６年生でそれぞれ５単元分を用意。算数にーごープロジェクトでは全単元・全時間分のカリキュラムを提供していたが「子どもの実態に合わせた授業にすることが難しい」「校内研究との関連を図ることが難しい」といった課題を踏まえ、今回は５単元のみをモデルとして示し、その考え方をもとに他単元にも応用してもらうことをねらっている。

　提供単元については、５年生は「合同と三角形、四角形」「小数のわり算」「単位量あたりの大きさ」「割合」「割合とグラフ」、６年生は「対称な図形」「分数のわり算」「データの見方」「比例と反比例」「拡大図と縮図」となっている。

　好事例の普及に向けて、各校における実践事例を全市で共有できる環境を構築する考え。

　今後、事業の概要を示したリーフレットや詳細を解説するハンドブックの配布、説明動画の配信、講師対象の研修会の開催などを予定している。

(札幌市 2024-03-05付)