札幌市　冬季オリパラ調査特別委　冬季競技で市活性化へ　活動総括や今後の取組報告

（札幌市 2024-03-05付）

　札幌市は、２月２９日に開かれた市議会冬季オリンピック・パラリンピック調査特別委員会で、これまでの招致活動の総括と今後の取組などについて報告した。

　昨年１１月に開かれたＩＯＣ理事会での決定事項を受け、札幌市は１２月、開催への足掛かりを失ったとして招致活動の停止を決定した。

　市はことし１月上旬～中旬、これまでの招致活動について外部有識者や関係団体へヒアリングを実施。

　その結果、外的要因として過去大会における予算の増加、新型コロナウイルス感染症の影響による機運醸成活動の制限、東京２０２０大会事案の影響による不信感の高まりがあったと分析。内的要因として若い世代をターゲットとした発信の不足、市主導の取組に限界があったことなどを挙げた。

　平成２６年度から令和５年度までにおける招致活動経費は、活動経費１２億２１００万円、人件費１４億４０００万円の計２６億６１００万円に上った。

　一方、招致活動を通して得られた効果などを踏まえ、今後は①裾野拡大に向けた取組②アスリートの発掘・育成に向けた取組③ウインタースポーツによるまちの活性化④ウインタースポーツ環境の整備―４点を推進し、世界屈指のウインタースポーツシティの実現を目指すとした。

　特に③では、取組の一つにオリンピック・パラリンピック教育推進事業を位置付け、札幌オリンピックの歴史や伝統を学ぶことを通して「ふるさと札幌」を愛する心の育成などにつなげていく考えを示した。

(札幌市 2024-03-05付)